ページャ

ページャ（pager）とは、コマンドラインインターフェース（CUI）環境において、テキストファイルの内容を閲覧するためのソフトウェアです。特にUnix系のオペレーティングシステム（OS）で広く利用されており、テキストファイルを効率的に閲覧する上で欠かせないツールとなっています。

ページャの基本機能

ページャは、テキストファイルの内容を一度にすべて表示するのではなく、画面に収まる範囲のテキストを表示し、ユーザーの操作に応じて次のページや前のページへと移動する機能を提供します。これにより、巨大なテキストファイルでも、全体の構造を把握しながら読み進めることができます。通常、ページャは標準出力（stdout）にテキストを表示します。

Unix系OSにおける主なページャ

Unix系OS（Linux、macOSなど）では、以下のようなページャがよく用いられます。

more: 最も基本的なページャの一つです。シンプルな機能のみを提供し、テキストを1画面ずつ表示します。一度進んだページを戻ることはできません。
less: `more`の改良版として登場しました。前後のページ移動、検索機能など、より高度な機能が利用可能です。多くのUnix系システムで標準的に利用されています。
pg: 比較的古いページャで、`less`よりも機能は少ないものの、簡単な操作でテキストを閲覧できます。
LV - a Powerful Multilingual File Viewer: 多言語対応のファイルビューアとして、様々な文字コードのテキストファイルを閲覧できます。ページャとしての機能に加え、より高機能な編集機能も備えています。

これらのページャは、それぞれ特徴があり、利用者の好みに合わせて使い分けることができます。特に、`less`は、その高い機能性から広く利用されています。

MS-DOSにおけるページャ

MS-DOS環境では、以下のようなページャが存在しました。

MIEL: 出射厚氏と清水洋平氏によって開発されたページャです。MS-DOS環境においてテキストファイルを閲覧するために利用されました。

ページャの利点

ページャを利用することで、以下のような利点があります。

効率的な閲覧: 巨大なテキストファイルでも、一度に全内容を表示することなく、必要な部分だけを効率的に閲覧できます。
システムリソースの節約: ファイル全体を一度にメモリに読み込む必要がないため、システムリソースを節約できます。
操作性の向上: 前後ページ移動、検索機能など、テキスト閲覧を快適にするための機能が利用できます。

ページャの利用例

ページャは、以下のような場面で利用されます。

ログファイルの確認
設定ファイルの確認
プログラミングにおけるソースコードの確認
ドキュメントファイルの閲覧

まとめ

ページャは、CUI環境におけるテキストファイル閲覧の基本ツールです。Unix系システムを中心に利用され、`more`, `less`, `pg`などが代表的です。これらのツールを利用することで、巨大なテキストファイルでも効率的に閲覧できます。テキストデータを扱う上で、ページャの知識は欠かせないものとなっています。

外部リンク

* FOLDOCのpagerの項 (定義2を参照)

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