ホイートストンブリッジ

ホイートストンブリッジの概要

ホイートストンブリッジは、主にひずみゲージなどの抵抗測定に利用される電気回路です。この回路は1833年にサミュエル・ハンター・クリスティによって発明され、1843年にチャールズ・ホイートストンによって普及しました。現在でも精密な抵抗値の測定に広く使われています。

基本構成

ホイートストンブリッジは、4つの抵抗器をブリッジ状に配置し、未知の抵抗を測定する仕組みになっています。回路には、未知抵抗R_x、既知抵抗R_1とR_3、可変抵抗R_2の4つが並びます。また、これらの抵抗器により、ブリッジの中間点に生じる電位差を測定します。この際、R_2の抵抗値を調整することで、検流計の読み取り値をゼロに保つことが求められます。

ブリッジ回路の平衡状態

ブリッジ回路が平衡状態にあるとき、次の関係式が成り立ちます。

• - $R_3 I_1 = R_1 I_2$
• - $R_x I_1 = R_2 I_2$

これにより、未知抵抗R_xを次の式で求めることができます。

• - $R_x = rac{R_3}{R_1} R_2$

このように、ブリッジが平衡になるポイントを見つけることで、R_xを精密に測定できます。この測定法は零位法として知られ、極めて高精度な測定が可能です。

誤差要因

ホイートストンブリッジを用いた抵抗測定は非常に精密ですが、以下のような誤差要因に影響されることがあります。
1. 既知抵抗（R_1、R_2、R_3）の実際の値と公称値とのズレ
2. 平衡点の読み取りミス
3. 回路内で発生する熱起電力の影響
4. 通電による抵抗の加熱
5. リード線や接触抵抗の影響

これらの要因は、ブリッジへの印加電圧を低く抑えることで軽減できます。

リターンロスブリッジ

ホイートストンブリッジは、リターンロスブリッジとしても拡張可能です。これは、高周波回路において被測定回路からの反射損失を測定するために設計されたものです。この構成では、信号源のインピーダンスを揃えることで、反射損失の測定を行います。具体的な手順としては、まずR_xを開放または短絡し、信号源から信号を入力。その後、被測定回路を接続して反射損失を評価します。

まとめ

ホイートストンブリッジは、抵抗の測定に特化した基本的かつ効果的な回路です。その高精度な測定能力から、工業・研究分野においても広く利用されています。また、関連技術としてリターンロスブリッジなどの応用も存在し、進化を続ける計測技術の重要な一部となっています。

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