ホセ・メサ

ホセ・ラモン・ノヴァ・メサ：剛腕クローザーの軌跡

ホセ・ラモン・ノヴァ・メサ（José Ramón Nova Mesa）は、1966年5月22日、ドミニカ共和国のアスア州で生まれました。右投右打の投手として、メジャーリーグで長きにわたり活躍しました。

プロ入りとメジャーデビュー

1981年、15歳という若さでトロント・ブルージェイズと外野手として契約。その後、投手に転向します。1987年9月4日にボルチモア・オリオールズへトレードされ、同日にメジャーデビューを果たしました。

デビューから7年間は先発投手として起用されますが、防御率が安定せず、1994年にリリーフへ転向。この転向が、メサのキャリアを大きく変えることになります。

クローザーとしての開花

1995年、クローザーに定着したメサは、リーグ最多の46セーブを記録し、最優秀救援投手のタイトルを獲得。サイ・ヤング賞の投票ではランディ・ジョンソンに次ぐ2位に入りました。同年5月5日から8月23日にかけて、メジャーリーグ新記録となる38回連続セーブ成功を達成。オールスターにも初めて選出され、その名を全米に轟かせました。

メサは、1995年と1997年にクリーブランド・インディアンスのクローザーとしてチームをワールドシリーズ進出に導きました。しかし、世界一には手が届きませんでした。1997年のフロリダ・マーリンズとのワールドシリーズ第7戦では、9回に同点に追いつかれ、チームは延長11回にサヨナラ負けを喫しました。

移籍とベテランとしての活躍

1998年7月23日にサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍。シーズン終了後には、シアトル・マリナーズと2年契約を結びました。その後、2000年11月17日にフィラデルフィア・フィリーズへ移籍し、2001年には6年ぶりにシーズン40セーブ以上を記録。2002年には、球団記録となる45セーブをマークしました。

2003年5月23日には、フィリーズで通算100セーブを達成。インディアンス時代にも104セーブを記録しており、史上10人目となる2球団での100セーブ達成となりました。

パイレーツ、ロッキーズ、タイガースでの活躍と引退

2004年、ピッツバーグ・パイレーツと契約し、開幕からクローザーとして起用され、42セーブを記録。2005年4月27日には、通算300セーブを達成しました。

2006年はコロラド・ロッキーズでセットアッパーとして自己最多の79試合に登板。2007年はデトロイト・タイガースでプレーしましたが、成績は振るわず、シーズン途中にフィリーズへ復帰。同年、現役を引退しました。

オマー・ビスケルとの確執

クリーブランド時代の同僚であったオマー・ビスケルとの不仲は、よく知られています。1997年のワールドシリーズでのメサの不調をビスケルが自伝で批判的に記述したことがきっかけで、二人の関係は険悪になりました。2006年には、メサがビスケルに報復ともとれる死球を与え、大きな話題となりました。

選手としての特徴と評価

メサは、速球と制球力を武器に、1990年代後半から2000年代前半にかけて、メジャーリーグを代表するクローザーとして活躍しました。特に、1995年には最多セーブのタイトルを獲得し、オールスターにも選出されるなど、その実力は高く評価されました。

ワールドチャンピオンを経験することはできませんでしたが、記憶に残る名クローザーとして、その名は野球史に刻まれています。

もう一度検索