ホセ・ルイス・カスティージョ

ホセ・ルイス・カスティージョ：栄光と波乱のボクシング人生

ホセ・ルイス・カスティージョ（José Luis Castillo、1973年12月14日 - ）は、メキシコ・ソノラ州出身の元プロボクサー。フェザー級からスーパーライト級まで幅広い階級で活躍し、特にライト級ではWBC世界王座を獲得。そのアグレッシブなスタイルと強打で多くのファンを魅了したが、度重なる体重超過など、リング外での問題も多く、毀誉褒貶が相半ばする選手だった。

プロデビューからWBC世界ライト級王座獲得まで

1990年5月、16歳という若さでプロデビュー。当初はフェザー級でキャリアをスタートさせ、メキシコ国内で着実に勝利を重ねる。1997年7月にはメキシコフェザー級王座を獲得し、2度の防衛に成功。その後、スーパーフェザー級に階級を上げ、1999年にはメキシコスーパーフェザー級王座、さらにはIBA世界スーパーフェザー級王座も獲得した。

2000年、ライト級に転向すると、その才能は開花。同年6月には、当時強豪として知られたスティーブ・ジョンストンを破り、WBC世界ライト級王座を奪取。この勝利は、リングマガジン アップセット・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。その後、3度の防衛に成功し、ライト級のトップボクサーとしての地位を確立した。

メイウェザーとの激闘と王座陥落

2002年4月、無敗の天才、フロイド・メイウェザー・ジュニアの挑戦を受ける。カスティージョは持ち前の強烈なプレッシャーでメイウェザーを追い詰める場面もあったが、判定で敗れ、王座から陥落。しかし、この判定には多くの疑問が呈され、観客からはブーイングが巻き起こった。同年12月にはリターンマッチが行われたが、これも判定で敗れ、雪辱を果たすことはできなかった。

WBC世界ライト級王座再獲得、そしてコラレスとの死闘

2004年6月、メイウェザーの王座返上により空位となったWBC世界ライト級王座を再び獲得。同年12月にはホエール・カサマヨールを破り、防衛に成功する。そして2005年5月、WBO世界ライト級王者ディエゴ・コラレスとの王座統一戦に臨む。この試合は、ボクシング史に残る激闘として語り継がれている。

カスティージョは10ラウンドに2度のダウンを奪うも、コラレスの驚異的な粘りに遭い、TKO負け。2団体統一に失敗し、WBCライト級王座から再び陥落した。試合後、即座にダイレクトリマッチが組まれたが、カスティージョが計量で大幅な体重超過。試合はノンタイトル戦となり、カスティージョがKO勝利を収めたものの、またもや物議を醸す結果となった。

スーパーライト級への挑戦と引退

その後、スーパーライト級に階級を上げ、2007年にはリッキー・ハットンに挑戦するもKO負け。2008年にはティモシー・ブラッドリーとの対戦が予定されていたが、またしても体重超過により試合は中止となった。

2014年11月、ルスラン・プロボドニコフにTKO負けを喫し、この試合を最後に現役を引退した。

ディエゴ・コラレスとの因縁

ディエゴ・コラレスとは3度にわたる対戦が予定されたが、いずれも後味の悪い結末となった。1戦目は両者譲らずの激闘の末、コラレスが劇的な逆転TKO勝利を収めたが、コラレスの反則行為やレフェリーの判断に疑問が残った。2戦目はカスティージョが計量に失敗し、ノンタイトル戦として行われ、カスティージョがKO勝利を収めたものの、体重超過が問題視された。3戦目はカスティージョの体重超過により中止となり、両者の因縁は解消されないまま終わった。

ホセ・ルイス・カスティージョは、その強打とアグレッシブなスタイルで多くのファンを魅了したが、度重なる体重超過など、リング外での問題も多く、そのキャリアは波乱に満ちたものだった。しかし、ディエゴ・コラレスとの死闘は、ボクシング史に残る名勝負として、今もなお語り継がれている。

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