ホテルヘルス

ホテルヘルスとは



ホテルヘルスは、店舗を持たないファッションヘルスの一種で、略して「ホテヘル」とも呼ばれます。主な特徴は、ラブホテルやレンタルルームをサービス提供の場として利用することです。顧客はまず、街中にある事務所で女性を選び、その後、女性とともに近隣のホテルへ移動します。この点で、従来の店舗型風俗店とは異なり、店舗を持たないため「無店舗型」と分類されます。

歴史的背景



ホテルヘルスの誕生には、過去の風俗業界に対する法規制強化が深く関わっています。特に大阪府では、ファッションヘルスに対する規制が厳しくなり、違法営業を行っていた店舗型ファッションヘルスは警察の一斉摘発によって壊滅的な状況に陥りました。この状況下で、店舗型ヘルスを運営していた業者は、摘発を逃れるためにホテルへ従業員を派遣する形に移行しました。これがホテルヘルスの始まりです。

同様の動きは東京でも見られました。2001年の歌舞伎町ビル火災後、石原慎太郎都知事による「歌舞伎町浄化」政策が進められ、都内の無許可店舗型風俗店が摘発されました。これにより、いわゆる「箱型」の風俗店が大きな打撃を受け、その代替としてホテルヘルスが急速に広まりました。

一般的な特徴



ホテルヘルスは、風営法の規制により、店舗型ファッションヘルスのように店頭に看板を掲示することができません。そのため、店舗の存在はウェブサイトやスポーツ新聞、雑誌などで確認する必要があり、店頭には「18禁マーク」のみが掲示されていることが一般的です。利用料金に関しては、ホテル代が別料金となる場合が多いですが、店舗によっては指名料やホテル代込みの料金設定もあります。

利用方法



利用の流れは以下の通りです。

1. まず、店舗で好みの女性を選び、料金を支払います。
2. 女性従業員が店舗に到着後、一緒に指定されたラブホテルまたはレンタルルームへ向かいます。この際に室料を支払います。
3. 店舗のサービス内容によっては、客が先にホテルに入室し、後から女性従業員が部屋へ向かうケースもあります。この場合、サービス形態はデリバリーヘルスと類似しますが、受付が店舗で行われる点が異なります。
4. 部屋に入室後、女性従業員がファッションヘルスと同様のサービスを時間内に行います。サービス内容の詳細はファッションヘルスを参照してください。
5. サービス終了後、女性従業員とともにホテルを退出します。

法規制と対策



ホテルヘルスは、その営業形態から当初は法規制の目を掻い潜り、店舗や営業地域を拡大させていきました。しかし、組織的な運営や暴力団の資金源となることを警戒した警視庁は、風営法の規制強化に踏み切りました。

当初、ホテルヘルスはデリバリーヘルスと同様に無店舗型とみなされ、営業時間の規制が適用されませんでした。しかし、2006年5月に改正風適法が施行され、受付所や無料案内所が店舗とみなされるようになり、店舗型と同様に深夜24時までの営業制限が設けられました。さらに、営業の届け出が各都道府県の公安委員会に義務付けられ、店舗型ヘルスと同様に出店禁止エリアも定められました。

これらの規制強化によりホテルヘルス業界は一時的に打撃を受けましたが、日中の営業時間帯に格安料金を設定するなどの対策を講じ、現在も営業を続けています。

関連項目




脚注



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