ホテルマリオ

ホテルマリオについて

『ホテルマリオ』（英: Hotel Mario）は、1994年にファンタジーファクトリーが開発し、フィリップスインタラクティブメディアと任天堂が共同でCD-i向けにリリースしたコンピュータパズルゲームです。このゲームは日本では発売されませんでした。

ゲームの目的と内容

プレイヤーは任天堂の人気キャラクター、マリオを操作し、キノコ王国に存在する7つのクッパホテルを巡ってピーチ姫を救出することが目的です。各ホテルは複数のステージに分かれており、プレイヤーは全ての扉を閉めることを目指します。すべての扉を閉じると次のステージに進むことができ、各ホテルの最終ステージで待ち構えるコクッパを倒すことで次のホテルに移動することが可能です。

一人プレイの他に二人プレイモードもあり、もう一方のキャラクターにはマリオの兄であるルイージが選択可能です。ゲームは全てのホテルを攻略する形式で進行し、最初の6つのホテルはそれぞれ10ステージ、最後のホテルは15ステージで構成されています。プレイヤーは時間制限内に全ての扉を閉じることで、次のステージに進むことが許されます。

ステージの特徴

全てのステージは5階建ての構造で、エレベーターが設置されていますが、各ホテルによってエレベーターの動き方は異なります。このエレベーターを利用して階を移動し、速やかにステージをクリアすることで得点が得られます。ステージ開始前には、名称が表示され、セーブ機能も利用できます。また、ステージ終盤で出現するコクッパとの戦闘も攻略の鍵となります。

敵キャラクターとアイテム

プレイヤーが各ホテルで直面する敵キャラクターには、マリオシリーズでお馴染みのクリボーやノコノコ、テレサなどがいます。これらの敵と接触したり、時間切れになると残機が減少します。敵を倒す手段として、アイテムを収集することが重要です。キノコを取得するとマリオはスーパーマリオに変身し、より多くのダメージを受けることが可能になります。また、ファイアフラワーを取得することで、火の玉を発射して敵を排除することができます。さらに、スターを取ることで一時的に無敵状態になります。

ストーリー背景

ゲームの舞台は、キノコ王国がクッパによってホテルに改造された「クラブクッパリゾート」です。クッパはピーチ姫をこのリゾートに閉じ込めてしまい、マリオとルイージは彼女を救うために旅に出ます。彼らはホテルを巡りながら姫を救おうと試みますが、姫は毎回目の前から消えてしまいます。最終的にクッパの宮殿に辿り着いた二人は、そこで待ち受ける敵を倒し、姫を救出することに成功します。

開発経緯と評価

本作は、任天堂がCD-ROM技術に価値を見いだせず、ソニーとの提携を解消した後に生まれたプロジェクトの一環です。そのため、開発には任天堂がほとんど関わらず、フィリップスのファンタジーファクトリーが独自に製作しました。リリース後は、ゲーム誌やファンから賛否が分かれ、特にアニメーションとゲームプレイの質の低さが指摘されました。その結果、海外ではマリオシリーズの中で最も評価が低い作品とされることが多くなりました。

ゲームは多くの批評に曝され、「クセになるがすぐに飽きてしまう」と評されたほか、後の評価では「歴史的に最悪なゲームの一つ」とされることもありました。リリース当初の楽しさが後に薄れてしまったこと、グラフィックやアニメーションの質の低さが影響していると言えるでしょう。『ホテルマリオ』は、任天堂のゲームというよりも、フィリップスが生み出した独自のものとして記憶されています。

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