ホテル・ハイビスカス

ホテル・ハイビスカス

『ホテル・ハイビスカス』は、仲宗根みいこの漫画およびその映画化作品で、監督は中江裕司が務めています。1980年代の沖縄を舞台に、架空の民宿「ホテル・ハイビスカス」を経営する一家を中心に、日常生活や家族の絆を描いた物語です。この作品は1986年から1998年にかけて『コミックモーニング』や『ビッグコミック増刊号』、『コミックトム』などで不定期に連載されていました。沖縄独自の風習や伝承、戦争の記憶、基地に関する歴史など、沖縄出身の作者ならではの視点が色濃く反映されています。また、作中では沖縄の言葉も多用されており、地域の文化や感情を豊かに表現しています。

単行本リスト

作品はさまざまな形式で発表されています。

• - ホテル・ハイビスカス (1) - (2) （講談社 モーニングKC、絶版）
• - ウチナーンチュ ホテル・ハイビスカスの人々(1) （潮出版社 希望コミックス、絶版）
• - ホテル・ハイビスカス (1) - (4) （ボーダーインク）
• - ホテル・ハイビスカス 新装版 （新潮社）

映画化

2002年に映画も制作され、戦争や差別、国籍の問題が暗に描かれています。主人公・美恵子を中心に、明るいコメディタッチの物語に仕上げられています。また、映画の舞台ともなる旅館「ホテル・ハイビスカス」のロケ地には、名護市辺野古にある日蓮宗法華道場が使用され、実際の沖縄の風情が感じられます。

ストーリー

ホテル・ハイビスカスは一泊4千円ですが、特別価格の3千円で沖縄料理付きのサービスを提供。宿泊できる部屋はひとつしかなく、運営しているのは多様なキャラクターに満ちた一家です。腕白で元気な小学3年生の美恵子、バーで働いて家計を支える美しい母、沖縄の伝統楽器三線を得意とする父、そして黒人とのハーフのケンジにぃにぃや白人とのハーフのサチコねぇねぇ、従業員のくわえタバコのおばぁなど、個性豊かなメンバーが揃っています。美恵子は親友のガッパイとミンタマーとともに、森の精霊キジムナーを探しに出かける冒険を繰り広げます。

主なキャスト

映画のキャストには、蔵下穂波が美恵子役を務め、他にも照屋政雄（父ちゃん）、ネスミス（ケンジにぃにぃ）、亀島奈津樹（サチコねぇねぇ）などが出演しています。物語は、家族や仲間たちとの関わりを描き、沖縄の文化、風俗、人々の心のつながりを巧みに表現しています。

主なスタッフ

映画の制作には、竹中功や川城和実、他多数の製作陣が関与し、監督を中江裕司が担当。脚本は中江素子と中江裕司が共同で執筆し、音楽や編集も手がけています。

『ホテル・ハイビスカス』は、沖縄の家庭の愛情や地域の文化を融合させた心温まる作品であり、漫画と映画いずれも、その魅力が際立っています。

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