ホリホック (コルベット)

ホリホック (HMS Hollyhock)

ホリホックは、イギリス海軍のフラワー級コルベット艦で、彼女の艦歴は1939年に始まりました。1920年代から1930年代にかけて艦隊の近代化が進む中、ホリホックはその一翼を担うべく、ジョン・クラウン＆サンズ社で建造が開始されました。艦が起工されたのは1939年11月27日のことで、その後1940年8月19日に進水し、同年11月19日に正式に就役しました。

第二次世界大戦での記録

ホリホックは、第二次世界大戦の最中に活躍した艦船で、特に1942年4月に発生したセイロン沖海戦に関連する重要な実戦記録があります。この海戦では、日本軍の空母機動部隊がインド洋に突入し、連合国艦隊に対して空襲を行いました。

1942年4月5日には、コロンボが空襲を受け、連合国側にも緊張が走りました。そして、4月8日には日本の艦隊が発見され、攻撃対象となる艦船がトリンコマリーまたはマドラスであることが予想されていました。このため、在泊艦船には避難命令が出され、空母「ハーミーズ」などがトリンコマリーから出港しました。

ホリホックは、補助艦隊の「Athelstane」を護衛して出港し、任務に従事しましたが、4月9日にトリンコマリーへの空襲が行われ、付近の艦船も攻撃を受けることとなります。最初に「Athelstane」が命中弾を受けて沈みかけたことで、ホリホックも危機的な状況に陥りました。ホリホックは「Athelstane」の乗員救助にあたりましたが、再度攻撃を受け、艦船は爆弾の直撃を受けました。

沈没とその影響

攻撃を受けた結果、ホリホックは沈没し、乗組員の中には艦長以下53名が命を落としました。生存者はわずか16名であり、この戦闘はホリホックの艦歴の中で特に悲劇的な出来事となりました。

ホリホックの沈没は、当時の連合国海軍の厳しい状況を象徴するものであり、特にインド洋における日本軍の影響力とその戦略的攻撃力を浮き彫りにする出来事でもありました。

この艦船は、戦局の悪化に対する小艦艇の脆さを示す一例ともなり、連合国側の意識改革や戦略見直しを促す要因となりました。ホリホックは、艦船の名前としては消えましたが、その勇敢な戦いと多くの命を奪ったこの出来事は、海軍史に刻まれています。

もう一度検索