ホワイトシャドウ

ホワイトシャドウ (White Shadow)

『ホワイトシャドウ』は、1987年4月15日にフェアリーダストからリリースされたアダルトアニメの作品です。この作品は、当時好調であった『くりいむレモン』シリーズの一環として制作され、AICとの共同制作が大きな特徴となっています。アニメーションのキャラクターデザインと作画監督には、AICでの経験が注目されていたうるし原智志が起用されました。この作品が彼のデビュー作であり、また本作は18禁であるため、クレジットでは彼の名前は表記されていないという特異な状況がありました。さらに、AICもエンディングクレジットでは「AIC2」と記載されていました。

制作背景

本作の制作に際しては、ホラー映画の要素が取り入れられているシナリオが採用され、アダルトアニメの魅力であるセックスシーンにおいては、吸血鬼をテーマにした作品からの影響が見え隠れしています。製作過程に関するインタビューにおいて、うるし原はシナリオに満足していなかったことを明かし、新作での挑戦を条件に製作を受け入れたと語っています。このように、彼の意向が反映されつつも、最終的な演出がすでに決まっていたことから、自らの表現を完全には具現化できなかったことが示唆されています。

あらすじ

物語の舞台は英愛学園で、新体操部のエースである麻美が描かれています。彼女は翌日の全国大会を前に練習に励んでいました。一方、彼女に想いを寄せる同級生の祥太は、特別なペンダントを麻美に贈り、彼女にキスをしますが、麻美は彼のアプローチを拒んでしまいます。夜になると、麻美の部屋で異常が発生し、彼女は異空間へと引きずり込まれます。

異空間で麻美は全裸になり、そこで出会った男女たちに囲まれる中、自らのペンダントを奪われてしまいます。次の日、麻美は目を覚ますと、ペンダントが首にかかっていることを発見します。このペンダントは彼女の運命を変えてしまうきっかけとなります。

大会の日、麻美は祥太に近づき、意外にも大胆な行動をとることになります。しかし、祥太は彼女が別の存在に操られていることに気づかず、彼女に導かれるままに事を進めてしまいます。麻美の本当の姿は、ペンダントによって囚われの存在となっており、自らの肉体を乗っ取った妖しい存在が彼を手にかける運命に繋がってしまいます。

登場人物

• - 麻美: 本作のヒロインで新体操部のエース、多くの期待を背負っている。
• - 祥太: 麻美のボーイフレンドで、彼女に想いを寄せながらも、悲劇的な運命を辿る。
• - 一郎: もう一人の友人で、麻美に恋をしているが、祥太に一歩遅れている。
• - もう1人の麻美: 麻美の身体を乗っ取り、彼女を操る存在。

まとめ

『ホワイトシャドウ』は、ホラー要素とアダルトな側面が融合した独創的な作品であり、うるし原智志のデビュー作としても注目を集めました。キャラクターの魅力と緻密な作画が印象的であり、後のアダルトアニメの展開に影響を与えたと言えます。また、作品の内容は衝撃的であり、観る者に強い印象を残すことでしょう。しかしその一方で、日本国内では入手困難な状況が続いているため、知名度は限られた層に留まっています。

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