ホワイトラビットからのメッセージ

渡辺満里奈のセカンドシングル「ホワイトラビットからのメッセージ」：ソロデビューを飾った一曲

1987年、元日という縁起の良い日に発売された渡辺満里奈の2枚目のシングル「ホワイトラビットからのメッセージ」。前作「深呼吸して」から3ヶ月という短いスパンでのリリースとなりました。注目すべきは、前作で共演したおニャン子クラブのメンバー、工藤静香や生稲晃子との共演が本作で終了し、本作以降、渡辺満里奈はソロアーティストとして活動を続けることとなった点です。

シングルタイトル「ホワイトラビットからのメッセージ」は、1987年が卯年であったことに由来しています。このタイトルには、新たなスタートを切る渡辺満里奈へのメッセージ、そしてリスナーへのメッセージが込められていると言えるでしょう。初回盤には、特製MARINAロゴ・ステッカーが封入されるなど、ファンへの配慮も感じられます。

同日発売されたシングルカセットテープには、渡辺満里奈本人が語るショートトークと、彼女のピアノ演奏が収録されているという、ファンにとって貴重な特典が用意されました。これらの企画は、彼女の親しみやすさと多才さを示すものであり、ソロアーティストとしての第一歩を印象づけるのに大きく貢献したと言えるでしょう。

チャートにおける成功

「ホワイトラビットからのメッセージ」は、オリコンチャートで堂々の1位を獲得しました。これは、前作「深呼吸して」に続く2作連続のオリコン1位となり、彼女の高い人気と実力を改めて証明する結果となりました。この快挙は、彼女のソロ転向を成功に導く大きな要因の一つとなったことは間違いありません。

音楽評論家の評価

音楽評論家の湯浅学氏は、この楽曲について「セカンド・ライン・ドラミングが印象的」と評しています。これは、楽曲の構成やアレンジにおける重要なポイントを的確に捉えた評価と言えるでしょう。この楽曲の音楽的特徴を理解する上で、専門家の意見は非常に参考になります。

収録曲と収録アルバム

全作詞は秋元康氏によって担当されました。SIDE Aの作曲・編曲は山川恵津子氏、SIDE Bの作曲は岸正之氏、編曲は新川博氏が手掛けています。

7インチレコードには、SIDE Aに「ホワイトラビットからのメッセージ」、SIDE Bに「トロピカル・ジュース」が収録されています。「トロピカル・ジュース」は、夏を思わせるような明るい曲調で、A面とは対照的な魅力を持つ楽曲です。

シングルカセットテープは、A面に「ホワイトラビットからのメッセージ」と「ジェリービーンズのロマンス」、B面にショートトークとカラオケバージョンが収録されています。カセットテープならではの付加価値が、当時としては斬新で、多くのファンを魅了したのではないでしょうか。

その後、「ホワイトラビットからのメッセージ」は、コンピレーションアルバム『MARINA』や『おニャン子クラブA面コレクション Vol.3』『おニャン子クラブB面コレクション Vol.3』などに収録され、現在でも聴くことができます。これらのアルバムは、渡辺満里奈の音楽史を辿る上で欠かせない作品となっています。

まとめ

「ホワイトラビットからのメッセージ」は、渡辺満里奈のソロアーティストとしてのキャリアを象徴する一曲です。オリコン1位獲得という商業的な成功に加え、楽曲そのもののクオリティ、そして、カセットテープへのショートトーク収録など、多様な試みによって、彼女の個性を強く印象づけた作品と言えるでしょう。この楽曲は、80年代後半の音楽シーンを彩った名曲の一つとして、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

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