ホンダ・アヴァンシア

アヴァンシアについて

アヴァンシア（Avancier、冠道）は、日本の自動車メーカーである本田技研工業によって製造・販売された乗用車です。この車両は、その独特なデザインと高級志向のコンセプトから、多くの自動車愛好家やユーザーに支持されました。

初代 TA1/2/3/4型（1999年 - 2003年）

アヴァンシアの初代モデルは、1999年に北米仕様の7代目アコードをもとに開発され、特に日本国内市場向けに設計されました。外観は「アーチキャビンフォルム」と称される独特なスタイリングを持っており、そのスタイルはかつてのアコードエアロデッキを思わせるものでした。また、「4ドアクラブデッキ」という新しいカテゴリに位置付けられ、普通のステーションワゴンとは異なる印象を与えました。

アヴァンシアは埼玉製作所で製造され、前席はウォークスルー構造を採用し、後席へも簡単にアクセスできるようになっていました。このモデルには後席用の送風口やボックスが装備され、より快適な乗車空間を提供していました。また、オプションの「Gパッケージ」では、リヤシートにスライド機能やテーブルが装備され、後席の快適性が強化されていました。

エンジンには、オデッセイに使用されているF23A型とJ30A型が搭載され、FF（前輪駆動）と4WD（四輪駆動）の選択肢がありました。4WDモデルは、特にクロスオーバーSUVのような外見を持つために大きなバンパーやサスペンションを装備し、エンブレムも「Avancier4」としていました。

初代アヴァンシアは、多くの革新的な技術、例えばインテリジェントハイウェイクルーズコントロールや5速自動変速機などを採用したことで、注目を集めました。

• - 1999年に初めて発表され、CMには著名な映画俳優アンソニー・ホプキンスが起用されました。
• - 2000年には新たにV6エンジンの4WDモデルがラインナップに追加され、販売の拡大が図られました。
• - 2001年に行われたマイナーチェンジでは、「ヌーベルバーグ」というスポーツグレードが登場し、サスペンションの専用チューニングによりハンドリング性能が向上しました。
• - 2003年には特別仕様車も提供されましたが、商業的には成功しなかったため、同年中に販売を終了しました。

2代目 TG1/2/3/4/5/6型（2016年 - ）

2代目アヴァンシアは、2016年に登場し、上海モーターショーでの「コンセプトD」をもとに開発されました。このモデルは、大型クロスオーバーSUVとして位置付けられ、広汽本田汽車のラインナップの最上位クラスに据えられています。

エンジンは、オプションとして1.5L直噴ターボ（193PS）と新開発の2.0L直噴ターボ（272PS）の2種類が用意され、前者にはCVT、後者には9速ATが組み合わされています。また、新しい試みとしてAWD仕様も変更され、全体的に安全装備が充実しています。特に、Honda SENSINGという運転支援システムが搭載されているトップグレードが提供されています。

このようにアヴァンシアは、そのデザインや機能面において常に進化を続け、高級車市場において重要な役割を果たしてきました。アヴァンシアの名前は「前進する」という意味のフランス語「avancer」に由来しており、その名の通り、常に新しい試みを続けている車種であると言えるでしょう。

もう一度検索