ホンダ・エアウェイブ

エアウェイブ（AIRWAVE）

エアウェイブは、本田技研工業によって2005年から2010年まで製造されたコンパクトなステーションワゴン型乗用車です。このモデルは、ホンダのラインナップにおいて、長らく空白となっていた5ナンバーサイズの小型ワゴンの役割を果たしました。元々はオルティアの後継として位置づけられ、そのデビューは多くの期待を寄せられました。

構造とデザイン

エアウェイブの設計にあたって、初代フィットのシャーシが基にされ、ホイールベースは100mm延長されました。このことにより、後部座席と荷室にはゆとりのあるスペースが生まれています。また、センタータンクレイアウトを採用しており、車体の中央に燃料タンクが配置されています。このレイアウトは、さらに低床設計を実現し、荷物の積み下ろしが楽に行えるようになっています。

後席を収納する際には、座面が下に沈み込み、荷室の床がほぼ水平になるため、ステーションワゴンとしての使い勝手にも優れています。このように、エアウェイブは実用性に重きを置いた設計となっています。

特徴と機能

エアウェイブの特徴の一つは、前席から後席にわたる広々とした「スカイルーフ」です。これにより、車内から青空や星空を眺めることができ、開放感を楽しむことができる点が大きな魅力となっています。スカイルーフはプライバシーガラスと熱線吸収UVカットガラスを組み合わせた設計であり、快適性と安全性の両立が図られています。スカイルーフのない通常のルーフ仕様も選べるため、多様なニーズに応じた設計がなされています。

マイナーチェンジと仕様

エアウェイブは2006年にマイナーチェンジを行い、全車にイモビライザーとアレルフリー脱臭フィルターが標準装備されました。また、オートエアコンが「L」グレードに標準装備され、「G」グレードにもオプションとして追加されました。これらの装備は、運転手や乗員の快適性をいっそう向上させる役割を果たしました。

その後も、特別仕様車や改良が進められ、グレード名も変更されました。2008年には新デザインのフロントグリルやバンパーが採用され、エクステリアデザインが一新されました。インテリアもよりスポーティな印象を与えるため、ブラックカラーを基調に新しいシート表皮とシルバーの加飾が施されました。

生産の終了と後継車

2010年8月末にはエアウェイブの生産と販売が終了し、同時に姉妹車であるライトバン「パートナー」も生産を終えました。エアウェイブのラインアップ終了により、ホンダの5ナンバーステーションワゴンは当面ストリームのみとなりましたが、2011年のフィットシャトルの登場によって再び市場に顔を出すこととなります。

車名の由来

「エアウェイブ」という名称には、空気の流れを感じられる洗練されたスタイルが盛り込まれており、明るく広がりのある室内空間が特徴として挙げられています。このように、自然との融和性を持つ爽快感あふれる車としての意義も伝えられています。

エアウェイブは短い生産期間でしたが、そのデザイン、機能、そして実用性から多くのユーザーに支持されたモデルでした。

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