ホンダ・エリシオン

エリシオン（ELYSION）

エリシオンは、本田技研工業が2004年から2013年にかけて日本で販売していた高級ミニバンで、ステップワゴンの上位モデルとして知られています。エリシオンの名前の由来は、ギリシャ神話の楽園「エリュシオン」に由来し、兄弟車であるオデッセイの名と関連があります。現行モデルは中国専売として販売が続いています。

デザインとサイズ

エリシオンのデザインは、大海を航行するクルーザーをイメージしており、流麗なフォルムが特徴です。全長4670mm、全幅1800mmと大きなボディサイズを持ちながら、全高は1800mm以下に抑えられています。新たに開発された低床プラットフォームを採用することで、安定した走行性能を実現しています。

エンジンと性能

搭載されるエンジンは、K24A型（4気筒・2.4L）とJ30A型（V6・3.0L）の2種類があります。特にJ30A型エンジンは、インスパイアに使われる気筒休止機構（VCM）を採用し、燃費向上やエンジンの効率化を図っています。また、追加された「プレステージ」モデルには、レジェンドで使用されるJ35A型（V6・3.5L）が搭載され、日本のミニバンとしては最高出力300PSという素晴らしいパフォーマンスを実現しました。

安全性と装備

エリシオンには、時速15km/hで自動的に施錠されるドアロック機能や、シフトレバーを「P」にすると解錠される安全装置が標準装備されています。また、インパネの中央に配置されたシフトレバーや、全車5速ATという仕様も特徴的です。スマートキー装備のモデルでは、施錠・解錠時にハザードランプが点滅するなど、高い利便性を提供しています。

歴史と販売経緯

エリシオンは2004年5月に日本国内での販売を開始しましたが、ボディサイズの影響で販売は伸び悩みました。2013年10月には日本国内での販売が終了しましたが、その後も中国市場では東風本田汽車により販売が続けられ、2016年には二世代目に進化を遂げました。

モデルチェンジと特別仕様

初代モデルは2004年から2015年までの間、多くのマイナーチェンジと特別仕様車が展開されました。たとえば、2006年には「プレステージ」が発表され、3.5L V6エンジンを搭載するなど、バリエーションが広がりました。2009年には環境対応車普及促進税制に適合したモデルが登場し、燃費性能を強化しました。また、2010年のマイナーチェンジでは、全グレードに3列目中央のヘッドレストが標準装備されるなど、快適性と安全性が向上しました。

結論

エリシオンは、その優れた設計と性能で多くのファンを惹きつけました。日本国内での販売は終了したものの、現行モデルは中国市場での成功を収めています。本田技研工業の技術とデザインが融合した、魅力的なミニバンのひとつです。

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