ホンダ・シビッククーペ

シビッククーペ（CIVIC COUPE）について

シビッククーペは、本田技研工業が手掛けたクーペ型の乗用車で、その初登場は1992年に遡ります。シビックシリーズの一環として、多くのドライバーに支持され、特に北米市場での人気を誇りました。これは、シビックシリーズの中でも異なるユーザー層に向けて企画されたモデルであり、大衆向けのスポーツカーとしての性質を持っています。

開発の背景

シビッククーペは、ホンダR&Dアメリカ（HRA）の設計によって開発され、ホンダオブアメリカ（HAM）によって生産されました。もともと日本市場でも右ハンドル仕様が販売されていましたが、現在は主に北米向けに製造されています。日本市場では、CR-Xといった低燃費を目指したスポーツモデルが以前から存在していましたが、シビッククーペはそれとは異なり、日常使いに特化した条件を持つスポーツカーとしての地位を確立しました。

モデルの変遷

シビッククーペは、5代目シビックモデル以降に追加された形で登場しました。初代のEJ1/2型は、1991年にデビューしたシビックフェリオ（EJ3型）をベースにしており、1992年に北米市場向けに展開されました。初期モデルはD16A型エンジンを搭載し、4速ATのみが提供されていましたが、翌年には5速MTも追加されることとなります。

1996年にはフルモデルチェンジが行われ、2代目EJ6/7/8/EM1型が誕生しました。このモデルは、先代同様のD16A型エンジンを搭載しながら、出力が減少しました。日本市場向けにはわずかな仕様のみが輸入され、すぐに販売が停止されました。

その後の3代目EM2型ではD17A型エンジンが搭載され、日本未発売のモデルとなった4代目FG1/2型、さらには5代目のモデルが2011年に発表されました。これにより、デザインやエンジン性能が向上し、よりエンターテイメントを感じられるモデルへと進化していきました。

最後のモデルとその影響

シビッククーペの6代目FC3/4型は、2016年に登場し、これが最後のモデルとなりました。このモデルは日本市場向けには販売されず、事実上の日本製クーペ市場の消滅を意味するものとして捉えられています。いわば、シビッククーペというモデルは、一つの時代を象徴する存在であったと言えるでしょう。代替としては、2022年に登場した5ドアファストバッククーペの5代目アキュラ・インテグラが挙げられます。

結論

シビッククーペは、単なる乗用車の枠を超え、様々なモデルにわたって多くのドライバーに愛されてきました。生産が終了した今も、その特徴や性能の面では他のクーペモデルに強い影響を与えています。市場が求めるニーズに応じて進化を続けたこのモデルは、自動車業界において忘れられない存在となっています。

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