ホンダ・ストリート

ストリート（STREET）

ストリートは、本田技研工業が製造・販売していたキャブオーバー型の商用バンであり、主に軽自動車市場で数十年にわたって親しまれました。このモデルは1981年から2001年にかけて展開され、多様な仕様や改良を受けながら進化を続けました。

初代 VD/VH型（1981-1988年）

ストリートは1981年2月1日に、アクティバンの上級モデル「アクティストリート」として市場に登場しました。当初の価格は「標準ルーフ」モデルで71万5,000円であり、商用バンとしての高い実用性を誇っていました。

1982年にマイナーチェンジが行われ、オートマチック（AT）車の追加やヘッドライトの形状の変更が行われました。また、クーラーの代わりにエアコンがオプションとして設定され、さらに「ストリートL」には新たに5速マニュアルトランスミッション（MT）が搭載されました。この改良によって、より快適な乗り心地が実現され、サンルーフ仕様車も登場しました。

1983年2月には4WD車が追加され、全ての4WDモデルに前輪ディスクブレーキと5速MTが装備されるようになりました。その後、1985年には再度のマイナーチェンジが行われ、ヘッドライトの形状変更に加え、2WD車にも前輪ディスクブレーキが導入されました。全てのモデルが5速MTに統一され、走行性能が向上しました。

2代目 HH1/2/3/4型（1988-2001年）

1988年5月11日、ストリートは姉妹車のアクティと同時にフルモデルチェンジを受け、モデル名が「アクティ」の名を外した「ストリート」となりました。新型は、当時としては珍しいリアスライドドアと全開閉式ウインドウを備え、使い勝手を向上させました。また、リアシートは収納可能な形状であり、デザインや機能性においても革新をもたらしました。

1990年3月にはマイナーチェンジが実施され、660ccのE07A型エンジンが搭載され、バンパーの大型化とボディが100mm長くなる改良が施されました。新たに「EX」グレードが追加され、これ以降のモデルにおいても装備の充実が図られました。

1991年には一部改良が行われ、全モデルにハイマウントストップランプが標準装備されました。「EX」には電動テールゲートオープナーが新設され、他の細かな仕様変更も行われています。さらに1993年にはヘッドライトの形状が改良され、4WDモデルのアウトドア志向を強化した「FOX」グレードが新設されました。

1998年には軽自動車規格の改正に伴い、生産が終了しましたが、在庫分は販売され続け、最終的に2001年9月に全てのストリートの在庫が完売し、長い歴史に幕を閉じました。ストリートは日本国内において多くのファンに支持され、商用車の代表的な存在として記憶されています。

まとめ

ストリートは本田技研工業の商用バンとして、軽自動車の市場において独自のポジションを確立しました。その革新的なデザインと高い実用性によって、40年以上の歴史を持つモデルとして多くのふるいファンに愛され続けました。

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