ホンダ・ドリームCB500FOUR

ドリームCB500FOUR/CB550FOUR：扱いやすさを追求した名車とその系譜

ホンダが1970年代に製造販売したオートバイ、ドリームCB500FOURとCB550FOURは、同社の4気筒モデルにおいて、扱いやすさを重視したモデルとして人気を博しました。CB750FOURの登場以降、大型バイクは高出力化と大型化が進む中、これらのモデルは、その優れた操作性と扱いやすさから、多くのライダーに支持されました。

ドリームCB500FOUR：静寂と操作性の融合

1971年4月、CB750FOURの弟分として登場したCB500FOURは、498ccの空冷4ストロークDOHC4気筒エンジンを搭載。4本出しマフラーやフロントディスクブレーキなど、兄貴分譲りのスポーティなデザインを受け継ぎながらも、車体は一回りコンパクトに設計されました。最高出力48ps、最大トルク4.1kgf・mを発生し、当時としては十分な動力性能を誇りながら、取り回しやすさを両立した点が大きな特徴でした。

当時、日本で初めてパッシングスイッチを採用、またマフラーの消音対策も強化され、「静かなる男のための500」というキャッチコピーが示すように、静粛性も高く評価されました。1973年にはマイナーチェンジを受け、リフレクターやテールランプのサイズ変更、カラーリングの追加が行われましたが、1974年には後継モデルであるCB550FOURへとバトンタッチし生産を終了しました。

ドリームCB550FOUR：さらなる進化と派生モデル

1974年2月、CB500FOURの後継として登場したCB550FOURは、排気量を544ccに拡大したCB550FE型エンジンを搭載。最高出力は50psに向上し、より力強い走りを実現しました。デザイン面では、大型化されたメーター類やキー付き燃料タンクキャップ、大型バックミラーの採用など、使い勝手の向上も図られました。安全性についても、ウインカーブザー、2モーション式のウインカースイッチ、ニュートラルセーフティスターターの採用など、改良が加えられました。

CB550FOURは、その高い信頼性と使いやすさから、警察車両としても採用された実績があります。特に1976年以降の納入車はCB550FPとして、さらに特化した仕様とされました。1975年にはカラーリング変更のマイナーチェンジを行い、1975年には集合マフラーを採用したCB550FOUR-II、1977年にはメガホンマフラーやフロントフォークの改良などを行ったCB550FOUR-Kが登場しました。CB550FOURは、1979年にCB650にモデルチェンジし、生産が終了しました。

CB500FOURとCB550FOURの共通点と相違点

CB500FOURとCB550FOURは、どちらも4気筒エンジンを搭載し、スポーティなスタイルを共有していましたが、排気量や最高出力、搭載されている装備などに違いがありました。CB550FOURは、CB500FOURをベースに排気量を拡大し、性能と装備を向上させたモデルと言えるでしょう。どちらのモデルも、当時の日本のバイクシーンにおいて、独自の地位を築いた重要な存在でした。

まとめ

ドリームCB500FOURとCB550FOURは、ホンダが4気筒エンジンの扱いやすさを追求した代表的なモデルです。高い信頼性と優れた操作性、そして時代を反映した改良が施されたこれらのバイクは、日本のオートバイ史において重要な役割を果たしました。その魅力は、現代においても多くのライダーを惹きつけています。映画への出演など、文化的な影響力も持ち合わせています。これらのモデルは、単なる乗り物ではなく、時代を象徴する名車として、これからも語り継がれていくでしょう。

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