ホンダ・リード

ホンダ・リードシリーズの歴史

はじめに

ホンダ・リードは、同社が製造・販売するスクータータイプのオートバイシリーズです。1982年の発売以来、長年にわたって多くの人々に愛され続けているロングセラーモデルです。本稿では、リードシリーズの歴史を初代モデルから最新のモデルまで、その変遷を詳しく見ていきます。


初代リード (1982年～)

1982年2月、リードシリーズは49ccのリード50と79ccのリード80でデビューしました。当時、プロテニスプレーヤーのビョルン・ボルグをイメージキャラクターに起用するなど、話題を集めました。同年10月には、124ccのリード125も追加されましたが、比較的短期間で生産終了となっています。

リード50は、その後も改良が重ねられました。シリンダーやポート形状の変更、点火プラグの改良、スクーター初のパワーエキゾーストシステムの搭載などにより、最高出力が向上しました。また、デジタルメーターや液晶式デジタル時計を搭載した上級モデル「リーダー」も登場しました。さらに、最高出力を向上させたリードSSや、スポーティーなデザインのリードRなどもラインナップに加わりました。リード80も、リードSSと同等の装備を持つリード80SSへと進化しました。


2代目リード (1988年～)

1988年にはフルモデルチェンジを行い、2代目リードが登場しました。49ccと89cc（リード90）の2モデルがラインナップされ、車体は初代よりも大型化し、高級感のあるデザインとなりました。特徴的なのは、シート下にヘルメットを収納できる28Lの大容量メットインスペースを採用したことでしょう。燃料タンクも拡大され、実用性の向上も図られました。このモデルでは、メットインスペースや大容量燃料タンクといった、ユーザーの利便性を重視した設計が特徴的でした。後継モデルのキャビーナ、ブロード、ジョーカーシリーズにも、その設計思想が受け継がれました。海外展開も積極的に行われ、韓国のデーリムモーターとの技術提携による「Super LEAD」や、インド向けの現地生産モデルなどが登場しました。


3代目リード (1998年～)

1998年には、再びフルモデルチェンジを行い、3代目リードが登場しました。49ccと101cc（リード100）の2モデルがラインナップされ、フロントサスペンションがテレスコピック式に変更されたほか、前後輪連動のコンビブレーキが採用されました。また、当時新しく施行された排ガス規制に対応するため、三元触媒内蔵マフラーが搭載されました。2001年にはマイナーチェンジを行い、カラーリング変更やキーシャッター装備の採用などが行われました。しかし、2003年にはホンダの二輪車エンジン4ストローク化方針に基づき、スペイシー100にモデルチェンジする形で生産終了となりました。


4代目リード (2008年～)

3代目リードの後継モデルとして、中国で生産されていたSCR110をベースとした4代目リードが2008年に登場しました。107ccの水冷4ストロークエンジンを搭載し、PGM-FI電子制御式燃料噴射装置や三元触媒内蔵マフラーを採用することで、最新の排ガス規制に対応しました。デザインは、スポーティーで高級感のあるものとなっています。2010年にはマイナーチェンジを行い、「リードEX」に車名変更、コンビブレーキシステムの改良などが行われました。2015年には日本での生産が終了しました。


5代目リード (2013年～)

2013年には、ベトナムで生産されているLEAD125が日本市場に導入されました。125ccの水冷単気筒エンジン「eSP」を搭載し、ACGスターターやアイドリングストップシステムなどの先進技術を採用しました。LEDテールランプやポジションランプも採用され、燃費性能と環境性能にも配慮した設計となっています。2017年、2022年、2024年とマイナーチェンジが繰り返され、排ガス規制への対応や機能性の向上、デザインの変更などが行われてきました。最新のモデルでは、Honda SMART KeyシステムやUSB Type-Cソケットなども搭載され、利便性がさらに高まりました。


まとめ

ホンダ・リードシリーズは、時代の変化に合わせて進化を続けながら、常にユーザーのニーズに応えようと努力してきました。初代モデルから最新モデルまで、その歴史にはホンダの技術革新とユーザーへの思いが詰まっていると言えるでしょう。これからもリードシリーズが、多くの人々に愛され続けることを期待しています。

もう一度検索