ホンダ・CB400FOUR

ホンダ CB400FOUR：往年の名車の魂を受け継ぐネオクラシックロードスポーツ

1997年から2001年にかけて、ホンダから発売されたCB400FOUR（NC36型）は、同社のCBシリーズに属する400ccクラスのロードスポーツモデルです。同時期に販売されていたCB400スーパーフォア（NC31型）と共通の部品も使用しつつ、CB750FOURのスピリットを受け継いだ独自の個性を確立しました。

ノスタルジーと革新性の融合：開発コンセプト

CB400FOURの開発コンセプトは、「ノスタルジックでありながらも新鮮味を感じさせる、新しい時代のロードスポーツモデル」でした。1969年発売のドリームCB750FOURが持つ、力強さと洗練されたスタイルを現代的に解釈し、新たな魅力を生み出すことに注力しています。そのため、クロームメッキ仕上げのフェンダーや4本出しマフラー、スポークホイールなど、往年の名車を彷彿とさせるデザインを採用。一方で、電気式メーターや液晶式燃料計、H4ハロゲンヘッドランプといった、当時の最新技術も積極的に取り入れることで、レトロとモダンが見事に融合したスタイリングを実現しました。

メカニズム：力強いエンジンと洗練されたシャシー

搭載されるエンジンは、CBR400RR（NC23型）のエンジンをベースに、CB400FOUR用にチューニングされた水冷4ストロークDOHC並列4気筒399ccです。低中速トルクの向上を目指し、キャブレターや吸気系、エキゾーストマニホールドを最適化。最高出力は自主規制値である53psを達成しつつ、最大トルクは低回転域で向上しています。トランスミッションは、CB400スーパーフォアとは異なり、5速マニュアルを採用。よりスムーズで力強い走りを実現しています。

シャシーは、ダブルクレードル型フレームを採用。車体のサイズは全長2130mm、全幅780mm、全高1090mm、乾燥重量192kgと、扱いやすいサイズに抑えられています。前後18インチと17インチのタイヤを組み合わせたスポークホイール、アップライトなライディングポジション、そして前後ディスクブレーキなど、快適性と安全性を両立した設計となっています。サスペンションは、フロントに41mm径テレスコピックフォーク、リアにスイングアームを採用しています。

デザイン：CB750FOURの系譜を受け継ぐスタイル

CB400FOURのデザインは、CB750FOURを強く意識したもので、丸みを帯びた燃料タンクや、特徴的なマフラー、そしてクロームメッキパーツの輝きが、往年の名車の雰囲気を醸し出しています。しかしながら、現代的なデザイン要素も取り入れられており、単なるレトロコピーではなく、新たな魅力を持ったスタイリングとなっています。特に、4本出しマフラーは、CB400FOURのアイコニックなデザイン要素と言えるでしょう。

市場での評価と遍歴

CB400FOURは、発売当時から高い人気を博し、多くのライダーから支持されました。その魅力は、往年の名車のデザインを現代的に解釈したスタイリング、そして力強く扱いやすいエンジンとシャシーのバランスの良さにあると言えるでしょう。1997年の発売から2001年の生産終了まで、数多くのライダーに愛され、日本のバイク史に名を刻むモデルとなりました。カラーバリエーションも豊富で、キャンディオーシャングリーン、イタリアンレッド、ピュアブラックなど、時代を反映したカラーリングが用意されていました。

まとめ

CB400FOURは、往年の名車CB750FOURへのオマージュでありながら、現代的な技術とデザインを融合させた、ホンダの技術力の高さを見せつけたモデルです。そのスタイリング、走行性能、そして希少性から、現在でも高い人気を誇っています。日本のモーターサイクル史において、重要な位置を占める一台と言えるでしょう。

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