ホンダ・CD250U

ホンダ CD250U：ビジネスバイクとしての魅力と希少性

1988年、本田技研工業は高速道路走行も可能な250ccクラスのビジネスバイク、CD250Uを発表しました。CDシリーズに属するものの、ベンリィシリーズとは異なる、より本格的なモデルとして位置付けられています。1968年発売のドリームCD250の後継車種という歴史も持ちます。

車体デザインと機構

CD250Uは、CD125Tと共通のプレスバックボーン＋鋼管フレームを採用しながらも、スイングアームとシートレールを延長することで、CD125Tよりも一回り大きな車格を実現しています。リヤサスペンションは、このスイングアームの延長に合わせてレイダウンされ、より安定した走行性能を追求しました。

ブレーキシステムには、フロントにNS50Fと共通の2ポットキャリパー式ディスクブレーキを採用。計器類は一見2眼式に見えますが、タコメーターは省略され、速度計とインフォメーションランプのみとなっています。シンプルながらも実用性を重視した設計です。

搭載されるエンジンは、250Tシリーズやレブルと共通のMC06E型空冷4ストロークSOHC直列2気筒エンジン。5段マニュアルトランスミッションとの組み合わせで、荷物積載を考慮した低めのギア比が特徴です。シートは、一般的なダブルシートと、シングルシート＋大型キャリアの2種類が用意されました。

市場での評価と現状

CD250Uの年間販売目標は2,000台でしたが、30万円を超える価格帯や、250ccという排気量（軽二輪）がネックとなり、大きな需要を獲得することはできませんでした。発売から約5年で生産終了となりました。

しかし、ビジネスユースを想定した設計ゆえの高い耐久性から、走行距離5万kmを超える個体も珍しくありません。また、レトロな車体デザインは、GB250やヤマハSR400といった人気モデルとは異なり、その希少性からマニアの間で注目を集めています。

現在でも、MC06E型エンジンのパーツは新品・中古問わず比較的容易に入手可能です。さらに、日本国内では不人気だったものの、海外、特に台湾や香港では近年まで新車が販売されていたという背景もあり、CD250Uは独特の存在感を保っています。

まとめ

CD250Uは、ビジネスバイクとして開発されながらも、その耐久性とレトロなデザインから、現在では希少価値の高いモデルとなっています。販売台数は少なかったものの、根強いファンやコレクターが存在し、その歴史と特徴は、オートバイ史において特筆すべきものと言えるでしょう。高い耐久性と独特のデザイン、そして入手しやすいパーツ供給という点から、中古市場においても注目に値する一台です。将来的な価値上昇も期待できるかもしれません。 ホンダの250ccクラスにおける歴史を語る上で、CD250Uは欠かせない存在と言えるでしょう。

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