ホンダ・EA型エンジン

ホンダ・EA型エンジン

ホンダ・EA型エンジンは、本田技研工業によって製造された軽自動車専用の4サイクル直列2気筒ガソリンエンジンです。このエンジンは、空冷のN360EおよびLN360E型の後継として開発されました。

機構の特徴

EA型エンジンは、吸排気バルブがそれぞれ1個ずつ設けられており、タイミングベルトによって駆動されます。特筆すべき点は、日本国内で初めてタイミングベルトを採用したエンジンであることです。このタイミングベルトは、正確なバルブの動きを可能にし、エンジンの性能を向上させます。

さらに、このエンジンは一次振動を抑えるために、可変長のチェーンで駆動される2本のバランサーシャフトを備えています。これにより、よりスムーズなエンジン運転を実現しています。また、市販のガソリンの低鉛化に対応するため、バルブシートには耐熱性の焼結材が使用されています。

歴史的背景

EA型エンジンは、1971年5月11日に初めて発表された軽自動車「ライフ」に採用され、以来広く知られる存在となりました。このエンジンは、1972年9月20日に発表されたライフのバリエーションモデルにおいても、ツインキャブレター仕様が初めて採用されました。

1974年には、ライフステップバンの生産が終了すると同時に、EA型エンジンの生産も終了しました。このエンジンは、軽自動車市場において重要な役割を果たしたと言えます。

バリエーション

EA型エンジンには、主にシングルキャブレター仕様とデュアルキャブレター仕様の2つがあります。

シングルキャブレター仕様

• - 弁機構: SOHC ベルト駆動 吸気1 排気1
• - 燃料供給装置形式: キャブレター
• - 参考スペック（SA ライフ）:

- 最高出力: 23kW(31PS)/8,500rpm
- 最大トルク: 29N·m(3.0kgf·m)/6,500rpm
- 圧縮比: 8.8

デュアルキャブレター仕様

• - 弁機構: SOHC ベルト駆動 吸気1 排気1
• - 燃料供給装置形式: キャブレター（CVデュアルキャブレター）
• - 参考スペック（SA ライフTWIN）:

- 最高出力: 26kW(36PS)/9,000rpm
- 最大トルク: 31N·m(3.2kgf·m)/7,000rpm
- 圧縮比: 9.0

搭載車種

EA型エンジンは、様々な車種に搭載されました。

• - シングルキャブレター仕様:

- ライフ（SA/WA）
- Z（SA）
- ライフステップバン（VA）
- ライフピックアップ（PA）

• - デュアルキャブレター仕様:

- ライフ（SA）
- Z（SA）

このように、ホンダ・EA型エンジンは、優れた性能と技術革新をもたらし、軽自動車市場での成功に寄与した重要なエンジンの一つです。

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