ホースト州

ホースト州について

ホースト州は、アフガニスタンの南東部に位置する州で、パキスタンとの国境に接する山岳地帯にあります。州都はホースト市です。面積は4,152平方キロメートル、人口は約49万8千人（2013年時点）です。

地理

ホースト州は、山がちな地形が特徴で、クラム川がパキスタンへと流れ出ています。この地理的な特徴が、歴史的にも戦略的に重要な場所となってきました。

歴史

ホースト州は、かつてはパクティヤー州、パクティーカー州とともに、ロヤ・パクティーカー（大パクティーカー）という一つの州を形成していました。その後、パクティヤー州の一部でしたが、1988年から1995年の間に分離し、現在のホースト州となりました。

ソ連のアフガニスタン侵攻時、ホースト市は激しい戦闘の舞台となりました。1980年から1991年4月11日まで続いたホースト包囲戦では、最初に共産主義勢力から解放された都市となりました。

2021年8月15日、ターリバーンがアフガニスタンで勢力を拡大し、政権が崩壊すると、ホースト市など各地で数百人規模の抗議運動が発生しました。これに対し、ターリバーンは8月19日から排除作戦を行うことを理由に、無期限の夜間外出禁止令を敷きました。

ターリバーンが復権して以降、ホースト州内からは、パキスタン・ターリバーン運動などの武装集団がパキスタンに出撃するようになりました。この状況に対し、パキスタン政府はアフガニスタン政府を非難しましたが、事態は改善しませんでした。

2022年4月17日には、業を煮やしたパキスタン軍が、ホースト州とクナル州の国境沿いの集落を爆撃し、両州合わせて47人以上が死亡するという惨事が発生しました。これにより、両国間の緊張はさらに高まりました。

2022年6月22日には、アフガニスタン東部で大規模な地震が発生し、ホースト州内でも多くの建物が倒壊するなど、甚大な被害が出ました。初期段階で死者は25人以上、負傷者は90人以上にのぼり、山間部では情報が届きにくい状況であるため、被害はさらに拡大すると見られています。

まとめ

ホースト州は、歴史的に紛争に巻き込まれることが多い地域であり、近年では、ターリバーンによる抗議運動や、国境を越えた武装勢力による攻撃、そして自然災害による被害など、多くの困難に直面しています。今後の復興と安定が望まれます。

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