パクティーカー州

パクティーカー州の概要

パクティーカー州は、アフガニスタンの南東部に位置する州で、面積は約19,482平方キロメートル、2006年の推計人口は約377,100人です。州都はシャラナで、日本メディアではパクティカ州と表記されることもあります。

地理

北はパクティヤー州、東はホースト州とパキスタンの連邦直轄部族地域南ワジリスタン管区、南はザーブル州、西はガズニー州と隣接しています。国内の多くの地域と同様に、森林伐採が深刻で、大規模な洪水災害の一因となっています。

歴史

かつてはパクティヤー州、ホースト州とともにロヤ・パクティーカー（大パクティーカー）という一つの州を形成していました。ソビエト連邦のアフガニスタン侵攻の際には激戦地となり、1984年1月にはウルグン作戦が行われました。その後、長らく無政府状態が続きましたが、2022年6月にはアフガニスタン東部地震が発生し、州内では建物の倒壊など大きな被害が出ました。

政治と治安

アフガニスタンの中でも最辺境の州であり、内戦による荒廃の影響で社会資本の不足が深刻です。近隣のホースト州やザーブル州と比較しても、ターリバーン政権崩壊後の復興は遅れています。その原因として、地理的に中央政府から隔たっていることや、復興支援を行うワーカーが襲撃を受けることが挙げられます。2004年には、復興支援のために地方復興チーム（PRT）の基地がシャラナに設立されました。

近年はヘルマンド州のような大規模な騒乱は見られませんが、犯罪やターリバーンの活動による部族間の暴力事件が頻発しています。2004年には当時の州知事がターリバーン勢力を迎え入れたため、州東部がターリバーンの支配下に入りました。その後、知事は公職を追われ、米軍が掃討作戦を実施しました。また、パキスタン側の南ワジリスタンでは、パキスタン軍と武装勢力との間で衝突が発生しました（ワジリスタン紛争）。2007年時点の知事はムハンマド・アクラム・ハパルワク氏です。前知事は2006年にガズニー州でターリバーンによって暗殺されています。

行政区分

パクティーカー州は15郡で構成されています。

バルマル郡
ディラ郡
ガヤン郡
ゴマル郡
ジャニケル郡
マタ・カーン郡
ニカ郡
オムナ郡
サル・ハウザー郡
スロビ郡
シャラナ郡（州都シャラナ）
テルワ郡
ウルグン郡（ウルグン）
ワザ・クワ郡
ウォー・マメイ郡
ヤヒャヘル郡
ユスフケル郡
ザルグン・シャール郡
ヅィルク郡 (南ワジリスタン管区に隣接)

都市

州都はシャラナです。最大の都市はウルグンで、州内の商業の中心地となっています。

住民

民族構成はパシュトゥーン人が多数を占めています。

ザドラン (パシュトゥーン部族)

主要言語はパシュトー語です。宗教はパシュトゥーン人の多くがスンナ派です。

その他

関連事項として、パシュトゥーニスタンが挙げられます。

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