ホースニュース・馬

ホースニュース・馬

『ホースニュース・馬』（ホースニュース・うま）は、株式会社ホースニュースが発行していた競馬専門紙です。その歴史は、1945年の終戦直後にさかのぼります。当時、日本競馬会（現在の日本中央競馬会）は競馬の再開に向けて準備を進めており、これに合わせて戦後初の競馬新聞『馬』が創刊されました。

創刊の背景

1945年9月初旬、日本競馬会が残された馬資源を有効活用し、能力検定競走の開催を目指しました。その情報発信の手段として『馬』が設立され、1946年には、本番となる馬券発売が行われたことで、同紙も本格的な発行を開始しました。戦後、複数の競馬新聞が発刊される中で、特に『馬』は重要な役割を果たしました。

発展と法人化

1947年には株式会社ホースニュースとして法人化され、その後も成長していきます。1958年には大阪支社が設立され、関西地域でも発行を開始。そして、1970年代以降は中央競馬の厩舎が二つのトレーニングセンターに集中したことで、各拠点に支局を持つ形となりました。これにより、様々なメディア展開が可能となり、「全国ネットを誇る」というキャッチコピーも生まれました。

有名な予想家たち

1960年代には、競馬評論家の大川慶次郎と契約。在籍中、彼は1961年の東京競馬で全レースを的中させるという偉業を成し遂げ、これが新聞の売り上げ向上につながりました。しかしその後、大川は別の新聞に移籍してしまいます。彼の後継として多くの有名な予想家が育まれ、60年代から70年代にかけて阿部幸太郎や井崎脩五郎といった競馬評論家が在籍しました。

メディアとしての展開

ホースニュース・馬は、競馬中継の解説者としても活躍し、特に1980年代にはテレビやラジオの番組で影響力を持ちました。フジテレビとの強い関係を築き、競馬特集も数多く組まれ、競馬ファンにとって頼りにされる存在でした。1990年代には井崎と阿部を起用したテレビCMも流れ、話題を集めました。

様々な課題

しかし、2000年代に入ると部数は低迷し、競馬ブームの終息が影響しました。特にテレビ出演の形式がファン層と合わず、嫌われる結果に繋がったという意見もあります。また、電算写植やDTPの導入が遅れたことから、他紙との競争に敗れ、紙面の魅力が低下しました。さらに、会社の利益が設備投資には向かわず不動産投資に回されるなどの問題が影響しました。

休刊へ

2003年に本社を移転後、経営は困難を極め、最終的に2008年に競馬専門紙『馬』の発行を全て休止することとなりました。休刊後、多くの編集者やライターが他のメディアに移籍し、会社も清算される見通しとなりました。『ホースニュース・馬』は、日本の競馬シーンにおいて長い歴史を持つ存在であり、その影響は今でも感じられます。

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