ホ式十三粍高射機関砲

ホ式十三粍高射機関砲

ホ式十三粍高射機関砲（ホしき13みりこうしゃきかんほう）は、昭和8年（1933年）に大日本帝国陸軍によって準制式制定された口径13.2mmの高射機関砲です。この火器は、フランスのオチキス社が制作したオチキス Mle 1929 13.2 mm 重機関銃をモデルにしています。また、同じくオチキスを起源とする九三式十三粍機銃は、海軍向けに開発されたものです。

開発の背景

陸軍は、大正9年（1920年）7月22日に制定された兵器研究方針に基づき、昭和3年（1928年）には対空火器の開発を開始しました。当初はイギリスのヴィッカース社からの5インチD型機関銃を購買し、試験を行ったものの、その性能に不満がありました。このため、昭和4年（1929年）にはオチキス製の双連高射機関砲に関する仕様書を作成し、同年末には実物を入手しました。

昭和5年（1930年）の射撃試験では、射撃精度や距離の基準をクリアし、良好な成績が確認されました。特筆すべきは、1,000m以下での吹き流し射撃において、概ね100発中1発の命中率を達成した点です。さらに、高射において最も適するのは曳光弾であることが認識されました。

実用試験と正式採用

昭和6年（1931年）には、富津試験場で移動射撃試験が行われ、問題なく運用できることが確認されました。その後、昭和7年（1932年）には陸軍野戦砲兵学校において実用試験が行われ、正式に実用に耐えるとされる結果を得ました。この結果をもとに、昭和8年（1933年）12月22日に準制式として認められました。

機能と性能

ホ式十三粍高射機関砲は、主に高射による防空目的で使用される一方、対地攻撃も可能です。特に荷台に積載した場合の車上射撃においても、高い性能を発揮します。この砲は、照準手、射手、装填手の3人による運用が必要です。照準手は目標の情報を修正し、射手はハンドルを使って砲を操作します。給弾は30発入りの弾倉を使用し、従来の九二式車載十三粍機関砲と同じ弾薬が用いられました。

弾薬について

本砲には、九二式車載十三粍機関砲との互換性のある弾薬が採用されています。弾薬には普通弾、徹甲弾、曳光弾、焼夷弾などがあり、それぞれの特性に応じた用途で使用されました。特に徹甲弾は、鋼製の目標を貫通する能力が高く、射撃距離に応じた防弾性能を持っていました。

競合する武器との比較

発射速度に関しては、オチキス Mle 1929 機関銃は毎分450発の発射が可能ですが、30発入りの弾倉による供給方式により、実際の持続発射速度は毎分200〜250発に制限されました。この点で、アメリカのベルト給弾方式のブローニング M2 12.7 mm重機関銃と比べ劣るという指摘がありました。

ホ式十三粍高射機関砲は、直接的な防空戦力として大日本帝国陸軍の一翼を担うものでしたが、最終的には他の口径の高射機関砲に取って代わられ、比較的少数しか製造・調達されませんでした。

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