ホ155-II

ホ155-II/ホ一五五-II 航空機関砲の全容

ホ155-II（ホ一五五-II）は、大日本帝国陸軍が開発した航空機関砲です。その全貌には多くの不明点が存在し、資料の入手が難しい中での研究が続けられています。特に、設計や性能、製造の詳細については多くの謎に包まれています。

概要

ホ155-IIは、約50kgの重量を持ち、口径は30mmの大口径機関砲です。この砲は徹甲弾、榴弾、炸裂弾のマ301、および演習用の代用弾を使用します。その射撃時の反動は約1.5トンに達するため、非常に強力な打撃力を備えていました。

開発は昭和17年末に始まり、名古屋陸軍造兵廠が担当しました。昭和18年から設計が進められ、同年8月に初めての試作砲が完成しました。その後、昭和19年5月に機関砲の審査が行われましたが、その結果、様々な問題点が指摘されました。

開発と試験

出された報告書には、中央工業研究所という会社名が記載されており、ここで試作砲の試験が行われたことが明らかになっています。昭和19年2月から昭和20年6月にかけての試験では、尾栓のスライドガイドの強度不足や装填不良などが問題として指摘されており、射撃時に破損する事例も見られました。これらの課題は終戦までに解消されることはなかったと報告されています。

生産状況

かなりの困難が生じた生産の経緯も、ホ155-IIの特色の一つです。戦局の悪化や陸軍上層部の方針の変化によって、製造は不安定でした。量産は名古屋陸軍造兵廠の千種製造所で昭和19年8月に始まり、同年中に798門が生産されましたが、12月にはI型砲の生産を拡大するため、II型の生産は縮小されました。

小倉陸軍造兵廠でもII型の生産が進みましたが、終戦によりその作業は中断されました。名古屋陸軍造兵廠によると、昭和20年中のホ155の総生産数はI型とII型を合わせて336門とされ、この総数は最終的に約1,200門に達しましたが、資料によって数は異なるため、正確な数値は不明です。

仕様と搭載機

ホ155に使用される弾薬はI型とII型で共通でしたが、従来の20mm機関砲に比べて大口径化し、弾丸の重量は235g、全備弾薬筒量は520gとなっています。量産型は、試作としてキ84-I丙の主翼内に2門搭載が計画されていました。また、キ200「秋水」や火龍への搭載も予定されていたとされています。

参考文献

• - 橋立伝蔵監修『日本陸軍機キ番号カタログ』文林堂、1997年
• - 国本康文「三〇ミリ固定機銃」『陸海軍試作戦闘機』歴史群像 太平洋戦シリーズ31、学習研究社、2001年

関連項目

• - 大日本帝国陸軍兵器一覧

このように、ホ155-IIは多くの課題を抱えつつも、日本の航空機において重要な位置を占める機関砲の一つであったことが伺えます。

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