ボウシ

囲碁における「ボウシ」とは

囲碁における「ボウシ」とは、相手の石の進路を遮るように、その石の上から覆いかぶさるように打つ手のことを指します。この名称は、文字通り相手の石に帽子をかぶせるような形になることから来ています。通常、ボウシは相手の石から2路離れた位置に打たれることが多く、相手の石の動きを制限したり、勢力を削いだりする効果があります。

ボウシの活用

ボウシは、主に以下の2つの目的で活用されます。

1. 攻撃：相手の弱い石の進路を塞ぎ、攻撃する際に使われます。相手の石が逃げられないように動きを封じ、有利な展開に持ち込むことができます。

例：相手の石の真上を覆うように打つことで、相手の石の進出を食い止め、攻撃の機会を作り出す。

2. 模様の消し：相手が築こうとしている勢力圏（模様）を消すためにもボウシは有効です。相手の模様の拡大を防ぎ、自分の勢力を維持するために使われます。

例：相手の石の広がりを抑え込むように、その上から被せるように打つことで、相手の勢力拡大を阻止する。

ボウシの打ち方

ボウシは、相手の石から2路離れた位置に打つのが基本です。これは、相手の石の動きを効果的に制限し、かつ自分の石の安定性を確保するためです。ただし、状況によっては、1路離れた位置や3路以上離れた位置に打つこともあります。また、ボウシを打つ際には、相手の応手を読んでおく必要があります。

ボウシへの対応

ボウシに対しては、一般的に「ボウシにケイマ」という格言があります。これは、ボウシに対してケイマで受けるのが効果的であることを示しています。ケイマで受けることで、相手の石の勢力を受け止めつつ、自分の石の安定性を保つことができます。しかし、状況によっては、他の打ち方も有効です。

具体例

例1：攻撃

相手の石の進路を塞いで攻撃する場合、ボウシは非常に有効です。例えば、相手の弱い石に対してボウシを打つことで、その石の逃げ道を塞ぎ、攻撃を容易にします。この場合、ボウシは相手の石を孤立させる効果があります。

例2：模様の消し

相手が模様を拡大しようとしている場合、その上からボウシを打つことで、模様の拡大を防ぐことができます。この場合、ボウシは相手の勢力を削ぎ、自分の勢力を維持する効果があります。ボウシを打った後は、相手の出方に応じて、さらに手を加えていく必要があります。

まとめ

ボウシは、囲碁において非常に重要なテクニックの一つです。攻撃や模様の消しなど、様々な局面で活用することができ、効果的な使い方を理解することで、囲碁の腕を大きく向上させることができます。ボウシの打ち方や、それに対する対応をしっかりと身につけることが、囲碁上達への鍵となります。

参考書籍

• - 石田芳夫『ボウシの威力 (烏鷺うろブックス)』 日本棋院
• - 『ボウシこの一手! (二子アップ中級シリーズ) 』誠文堂新光社

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