ケイマ

囲碁におけるケイマとは

囲碁において「ケイマ」とは、ある石から見て、横に二路、縦に一路（または横に一路、縦に二路）離れた位置関係のことを指します。この位置関係は、将棋の桂馬やチェスのナイトの動きに似ていることから、英語では「knight jump」とも呼ばれます。ケイマは、石の連絡に少し隙間があるものの、その分機動性に富んでおり、攻防において重要な役割を果たします。

ケイマの種類

ケイマ（小ゲイマ）: 基本となるケイマの位置関係です。特に区別する場合は「小ゲイマ」と呼ぶこともあります。
大ゲイマ: ケイマよりもさらに一路遠い位置関係を指します。機動性はさらに増しますが、連絡はより薄くなります。
大々ゲイマ: 大ゲイマよりもさらに一路遠い位置関係です。

ケイマの活用

ケイマは、一間トビなどに比べて連絡に隙を残すものの、その機動性を活かして相手の石を追いかけ、攻める際によく用いられます。例えば、「追うはケイマ、逃げるは一間」という格言があるように、ケイマは攻撃的な状況で有効な手段となります。

また、隅の石からシマる際には、侵入の隙が少ない「小ゲイマジマリ」が多用されます。星、小目、目ハズシといった着点から、小ゲイマジマリは最も基本的なシマリ方とされています。

ケイマを含む形

一間にトンだ石からケイマに打った形は、俗に「犬の顔」または「徳利」と呼ばれます。さらに一路遠くの大ゲイマに打つ形は「馬の顔」と言われます。

ケイマに打った石に対して、さらに一間離れた点に打つツギ方は「ケイマツギ」といい、相手に切断されてもシチョウで取れるため、非常に効率の良いツギ方とされます。

ケイマに関する格言

ケイマのツキダシ: 相手のケイマの間に出ようとする手は、しばしば味を悪くする悪手となることが多いとされます。これは、相手の石を強化してしまうためです。
ケイマにツケコシ: ケイマに対しては、ツケコシが有効な手段となります。ツケコシは切断や封じ込めに繋がり、有利な展開に持ち込むことができます。
両ケイマ逃すべからず: 両者から見てケイマの位置になるような点は、勢力の消長に関して重要なポイントとなることが多いため、見逃さずに打つべきとされます。この手を打つことで、相手の勢力を削ぎ、自身の勢力を拡大することができます。

関連用語

コスミ
トビ
ハザマ

参考文献

影山利郎『常識やぶり 影山囲碁教室〈その弐〉ケイマ専科・大ゲイマ専科の巻 (新・碁学読本)』独楽書房　1987年



この解説を通して、ケイマに関する理解を深め、実戦での活用に役立てていただければ幸いです。

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