ボウル・チャンピオンシップ・シリーズ

ボウル・チャンピオンシップ・シリーズ(BCS)とは



ボウル・チャンピオンシップ・シリーズ(Bowl Championship Series、BCS)は、1998年シーズンから2013年シーズンまでアメリカ合衆国の大学アメリカンフットボール(カレッジフットボール)において導入されていたシステムです。

ポストシーズンに開催されるボウル・ゲームのうち、特に権威ある5つのBCSボウルの対戦組合せを決定するシステムでした。2005年シーズンまではBCSボウルは4つあり、そのうちの1つが持ち回りで優勝決定戦の役割を担っていましたが、翌年からは優勝決定戦が独立したBCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームとして開催されるようになり、BCSボウルは5つに増えました。

BCSボウルの出場校は原則として、6つあるBCSカンファレンスの優勝校と、一般枠(at-large)で選ばれる4つのチームからなります。カレッジフットボールではレギュラーシーズン終了後にトーナメント形式のポストシーズンは行われず、その代わりにBCSボウルを含む各種ボウル・ゲームが行われていました。BCSボウル以外のボウル・ゲームは、人気や実力においてBCSボウルに譲ります。

BCSボウル・ゲーム



2005年シーズンまでは、以下の4つのボウルがBCSボウルとされていました。

ローズボウル
シュガーボウル
フィエスタボウル
オレンジボウル

優勝決定戦はこれらのボウル・ゲームの間で持ち回りで開催されていました。この当時の出場校は、6つのBCSカンファレンスの各カンファレンスの優勝校と、一般枠で選ばれる2つのチームでした。

2006年シーズンからは上記4つのボウルに加え、優勝決定戦が独立しBCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームとして開催されるようになりました。同ゲームは、上記4つのBCSボウルのうちの1つと同じ開催地で、約1週間後に開催されます。

BCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームを戦うのは、レギュラーシーズン終了時点でBCSランキング第1位と第2位にランクされたチームであり、その勝者は、非公式ながらカレッジフットボールのそのシーズンの全米王者として扱われます。

テレビ放送は、ABCが放映権を保有していたローズボウルを除いて、2007年から2010年まではFOXが保有していましたが、2011年から2014年はESPNが全5試合の放映権を獲得しました。日本では、2010年はBCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームのみ日テレG+で放送されましたが、2011年はESPNと提携関係にあるJ SPORTSで5試合すべてが生放送されました。

選出方法



チャンピオンシップゲームは、BCSランキング1位と2位のチームの間で戦われます。

以下の6つの主要カンファレンス(BCSカンファレンス)の優勝チームは、自動的にBCSボウルの出場枠を得ます。

アトランティック・コースト・カンファレンス(Atlantic Coast Conference、ACC)
ビッグ・テン・カンファレンス(Big Ten Conference、Big Ten)
ビッグ12カンファレンス(Big 12 Conference、Big 12)
ビッグ・イースト・カンファレンス(Big East Conference、Big East)
パシフィック12カンファレンス(Pacific 12 Conference、Pac-12)
サウスイースタン・カンファレンス(Southeastern Conference、SEC)

2006年シーズンからは、各カンファレンスの優勝校の各ボウル・ゲームへの割り振りは以下の通りになります。優勝校がBCSチャンピオンシップ・ゲームに出場する場合には、その部分は一般枠として扱われます。

ローズボウル - Big Ten優勝校 - Pac-12優勝校
フィエスタボウル - Big 12優勝校 - 一般枠
オレンジボウル - ACC優勝校 - 一般枠
シュガーボウル - SEC優勝校 - 一般枠
Big Eastの優勝校は、4つの一般枠校と同じプールになります。

残りの一般枠は、上記カンファレンスの優勝校以外のチームか、上記カンファレンス以外のチームに、以下の手順で割り振られます。

1. 最終BCSランキング1位または2位の一般枠チームは自動的に出場枠を得ます。
2. 最終BCSランキング6位以内のカンファレンス無所属校、非BCSカンファレンス校は自動的に出場枠を得ます。この方法で出場資格を得るチームがある場合、ノートルダム大学は9勝以上するかBCSランキングで10位以内に入ると出場資格を得ます。
3. 最終BCSランキング3位または4位で、他の一般枠チームよりも上位のチームは自動的に出場枠を得ます。

上記のステップの途中で枠が埋まった場合には、そこまでで出場チームは決定します。最後まで枠が埋まらない場合には、ランキング12位以上で9勝以上の学校がさらに候補となります。

BCSランキング



BCSランキングは以下の3つのランキングに基づいて決定されます。

1. ハリス・インタラクティブのランキング
2. USAトゥディのコーチの投票によるランキング
3. 6つのコンピュータ・ランキング

具体的には、3つのランキングがそれぞれ算出する割合値の単純平均が大きいチームから、BCSランキングで上位に位置づけられることとなります。

各ランキングの詳細は以下の通りです。

ハリス・インタラクティブのランキング: 元監督・選手などの関係者、メディア関係者などから選ばれた114名の投票パネルのメンバーがそれぞれ決定した25位までのランキングを元に計算されます。
USAトゥディのコーチの投票によるランキング: 63名のDivision I-Aに所属するチームの監督による投票により求められます。ランキングの計算方法はハリス・インタラクティブと同様です。
コンピュータ・ランキング: Jeff Anderson-Chris Hester、Richard Billingsley、Wes Colley、Kenneth Massey、Jeff Sagarin、Peter Wolfeの6種が用いられます。各コンピュータ・ランキングはそれぞれ独自の方法論により1位から25位までのランキングを算出します。


各コンピュータ・ランキングの順位算出方法の詳細は明らかにされていませんが、全てのコンピュータ・ランキングにおいて対戦相手の強さを主に意味する「日程の厳しさ(Schedule Strength)」が考慮されているといわれています。

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