ボギスラフ5世 (ポメラニア公)

ボギスラフ5世：ポメラニア公、激動の時代を生き抜いた統治者

ボギスラフ5世（1318年頃 - 1374年4月23日）は、中世ポメラニア公国の公であり、「大公」とも呼ばれました。彼の生涯は、周辺諸国との複雑な関係や、一族間の領土争いなど、激動の時代を反映しています。

生涯：領土分割と周辺諸国との関係

ヴァルティスラフ4世の長男として生まれたボギスラフ5世は、兄弟と共に公領を共同統治しました。ドイツ騎士団に対抗するため、ポーランド王カジミェシュ3世と同盟を結び、その娘エルジュビェタを妻としました。この結婚は、ポメラニアとポーランドの関係を深める上で重要な役割を果たしました。

1366年に弟バルニム4世が亡くなると、ボギスラフ5世とヴァルティスラフ5世の間で対立が勃発します。しかし、1368年に条約が締結され、公領は分割されることになります。ボギスラフ5世は、東ポメラニアの大部分、すなわちポメラニア＝ヴォルガストを受け取り、シュトルプ（現在のスウプスク）を拠点とするポメラニア＝シュトルプ公となりました。一方、弟ヴァルティスラフ5世はノイシュテッティン（現在のシュチェチネク）を、バルニム4世の息子たちはリューゲン島、ウーゼドム島を含む北西ポメラニアを得ました。

ボギスラフ5世は、神聖ローマ皇帝・ボヘミア王カール4世の娘婿でもありました。1370年には、カール4世と同盟を結び、その関係をさらに強固なものとしました。

結婚と子女：王朝の繁栄

ボギスラフ5世は、二度の結婚を通じて多くの子を儲けました。最初の妻エルジュビェタ・カジミェジュヴナ（ポーランド王カジミェシュ3世の娘）との間には、以下の2子が生まれました。

エリーザベト：神聖ローマ皇帝カール4世と結婚
カシミール4世：ポメラニア公

エルジュビェタの死後、ボギスラフ5世はブラウンシュヴァイク＝グルーベンハーゲン公エルンスト1世の娘アーデルハイトと再婚し、以下の4子が生まれました。

ヴァルティスラフ7世：ポメラニア公
ボギスラフ8世：ポメラニア公
マルガレーテ：オーストリア公エルンストと結婚
バルニム5世：ポメラニア公

これらの子女たちは、婚姻を通じて周辺諸国との関係を強化し、ポメラニア公国の繁栄に貢献しました。

まとめ：ポメラニアの歴史に刻まれた足跡

ボギスラフ5世は、領土分割や周辺諸国との関係など、激動の時代を生き抜いたポメラニア公でした。ポーランドとの同盟、神聖ローマ皇帝との関係構築、そして多くの子女による王朝の繁栄など、彼の生涯はポメラニアの歴史に深く刻まれています。

参考文献

Frost, Robert I. (2015). The Making of the Polish-Lithuanian Union 1385-1569. 1. Oxford University Press
Lerski, George J. (1996). "Kazimierz IV". Historical Dictionary of Poland, 966-1945. ABC-CLIO.
* The Origins of the German Principalities, 1100-1350: Essays by German Historians. Routledge. (2017)

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