ボギスラフ8世 (ポメラニア公)

ボギスラフ8世：ポメラニア＝スウプスク公、激動の時代を生き抜いた統治者

ボギスラフ8世（1364年頃 - 1418年）は、ポメラニア＝スウプスク公として、またカミエン司教として、中世後期のポメラニア地方において重要な役割を果たした人物です。彼の生涯は、周辺大国との複雑な関係、領土の分割、そして内部の権力闘争に彩られています。

生涯：領土分割と周辺国との駆け引き

ボギスラフ8世は、ポメラニア公ボギスラフ5世と、ブラウンシュヴァイク＝グルーベンハーゲン公エルンスト1世の娘アーデルハイトの間に生まれました。ポメラニア公領は彼の幼少期に分割され、父ボギスラフ5世はスウプスク周辺の東部を領有しました。1374年に父が亡くなると、異母兄カジミール4世が公位を継承しますが、カジミール4世はポーランドの遺領を巡る争いで命を落とします。その後、ボギスラフ8世は兄弟と共にポメラニア＝スウプスクを共同統治することになりました。

聖職者の道を歩むことも検討されたボギスラフ8世ですが、カミエン司教区の管理者となり、後に司教の地位も手に入れます。しかし、司教職は4年で辞任しました。

ボギスラフ8世とその兄弟たちの統治下において、ポメラニアはポーランド王国とドイツ騎士団国という二つの強国に挟まれ、その影響を強く受けました。ポメラニア公らは、領土がプロイセンへの重要な陸路であったため、両国の対立を利用し、時には同盟を組み、時には裏切ることで、自らの権益を守ろうとしました。

リトアニア大公ヨガイラがポーランド王として即位すると、ポメラニア＝シュトルプ公は一時的に同盟を離脱し、ポーランド側につきました。しかし、その後もドイツ騎士団との間で紛争が絶えず、互いに攻撃を繰り返しました。

単独統治：教会との対立、そして大国との駆け引き

兄弟の死後、ボギスラフ8世はポメラニア＝シュトルプの唯一の統治者となります。彼は教会領を巡ってカミエン司教と対立し、司教を追放しました。また、ポーランド王ヨガイラに仕えながらも、ドイツ騎士団との同盟を結ぶなど、状況に応じて巧みに立ち回りました。

1410年のタンネンベルクの戦いでドイツ騎士団が敗北すると、ボギスラフは再びポーランドと同盟を結び、以前にポーランドがドイツ騎士団から獲得していた地域を譲り受けました。しかし、この取り決めはすぐに破棄されました。

ボギスラフ8世は、常に変化する国際情勢の中で、自らの領土と権力を維持するために、様々な勢力との間で駆け引きを行いました。彼の外交手腕は、ポメラニアの歴史において特筆すべき点と言えるでしょう。

死とその後：息子ボギスラフ9世の時代へ

ボギスラフ8世は1418年に亡くなり、カミエン大聖堂に埋葬されました。彼の死後、息子のボギスラフ9世が公領を継承し、父と同様に、周辺大国との関係に苦慮することになります。

ボギスラフ8世の生涯は、中世後期におけるポメラニア地方の複雑な政治状況を反映しています。彼は、領土を守り、権力を維持するために、常に変化する状況に対応しながら、狡猾かつ大胆な行動を取り続けました。彼の遺産は、その後のポメラニアの歴史に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

結婚と子供

ボギスラフ9世（1407/10年 - 1446年） - ポメラニア公
アーデルハイト（1410年 - 1444/5年以降） - 1429年にザクセン＝ラウエンブルク公ベルンハルト2世と結婚
* インゲボルク - メクレンブルク＝シュタルガルト公ハインリヒと結婚

もう一度検索