ボクの初体験

ボクの初体験

『ボクの初体験』は、弓月光による日本の漫画作品。1975年から1976年にかけて『週刊マーガレット』（集英社）で連載された、ラブコメディです。

概要

物語は、主人公である高校生・宮田英太郎の悲劇から始まります。英太郎は端正な容姿でモテるものの、極度の純情さゆえに女性との交際に至らず、なんと20人もの女性にフラれてしまうのです。失意のどん底に突き落とされた英太郎は自殺を図りますが、人浦狂児という医者に救われます。人浦は、脳腫瘍で亡くなった妻・春奈の脳を英太郎の体に移植するという、禁断の行為に手を染めるのです。

女性として生き返った英太郎は、春奈の姿を利用して自分をいじめた女性たちへの復讐を誓います。しかし、復讐を進めるうちに、自分をいじめていた美女連盟のリーダー・冴木みちるが、実は自分に好意を抱いていたことを知ります。一方、人浦博士も英太郎を元の体に戻すことを決意しますが、手術当日、みちるが交通事故に遭ってしまいます。みちるを救うため、人浦博士は彼女の脳を英太郎の体に移植。こうして、2人の性別が入れ替わった状態での生活が始まるのです。

主な登場人物

宮田英太郎
本作の主人公。星辰学院に通う高校生。純情で女性にモテるが、恋愛となると重い話をしてしまうため、いつもフラれてしまう。自殺を図った後、春奈の脳を移植され、女性として生きることになる。

冴木みちる
本作のヒロイン。英太郎のクラスメイトで、美女連盟のリーダー。明るく勝ち気な性格だが、実は英太郎に好意を抱いている。事故の後、英太郎の体に脳を移植され、男性として生きることになる。

人浦春奈
人浦狂児の妻。脳腫瘍で亡くなるが、英太郎の体に脳を移植され蘇る。穏やかで優しい性格。

人浦狂児
春奈の夫である医者。妻を失った悲しみから、禁断の脳移植手術を行う。春奈を蘇らせることに執念を燃やす。

米長邦子
星辰学院の生徒で、美女連盟の一人。

中園まゆみ
星辰学院の生徒。物語は彼女が英太郎に告白することから始まる。美女連盟20人目の女生徒。

湯川央司
"英太郎の春奈"たちの担任。実は刑事で、狂児の脳移植を捜査している。

永井
星辰学院の男子生徒で、英太郎とみちるのクラスメイト。ガリ勉の秀才。

作品の特徴

『ボクの初体験』は、性転換というSF的な要素を盛り込みながらも、高校生たちの恋愛模様をコミカルに描いた作品です。主人公たちが性別の壁を乗り越え、互いを理解し合っていく姿は、読者に感動と笑いを与えます。また、1970年代の学園を舞台に、当時の若者文化や流行が反映されている点も魅力です。

その後

英太郎とみちる、人浦博士と春奈は、後に弓月光の別作品である「手術しちゃうから!」にも登場します。そこでは、英太郎とみちるは結婚し、人浦博士は春奈を生き返らせる研究を続けています。

テレビドラマ化

1986年には、フジテレビの「月曜ドラマランド」で実写ドラマ化されました。保坂尚輝が宮田英太郎役、水谷麻里が人浦春奈役を演じました。

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