ボクの手の中の楽園

ボクの手の中の楽園：詳細解説

2009年3月27日にキャラメルBOXから発売された大人向けゲーム、『ボクの手の中の楽園』。記憶喪失の青年ユウが、謎の離島に漂着するところから物語は始まります。島民との触れ合いを通して日常を取り戻していくユウですが、やがて「狂人」と呼ばれる存在の出現という重大事件に巻き込まれ、失われた記憶と忌まわしい過去に向き合っていくことになります。

世界観とストーリー

本作の世界観は、同ブランドの前作『シャマナシャマナ 〜月とこころと太陽の魔法〜』と共通しており、暦や妖精の存在など、民俗的な要素が共通しています。難破船から漂着したユウは、記憶喪失のため自分の名前以外何も思い出せません。しかし、彼は優れた家事能力を持ち、持ち前の明るさで島の人々と信頼関係を築いていきます。

ストーリーは、ユウが島で出会う女性キャラクターたちとの交流を中心に展開します。それぞれのヒロインとの関係性を通して、ユウは断片的に記憶を取り戻し、過去にベネディクトという人物による人体実験の被験者であったこと、ミドルトン帝国の精鋭騎士「皇帝の番人」の一員であったこと、そして非契約魔法を使える能力を持つことを明らかにします。

ユウの魔法使用時には鱗粉のようなものが舞い散り、蝶の羽が出現します。しかし、通常時は片方の羽しか見えず、「できそこない」と呼ばれてきた過去が暗示されます。彼を支える少女ルファの魂は、蝶の姿となって彼を見守り続けています。

主要キャラクター

主人公：ユウ

性別：男
身長：175cm
特徴：記憶喪失、家事能力が高い、非契約魔法使用可能、金と青のオッドアイ（眼鏡で茶色にしている）

ヒロイン

テア・ボールシャイト: 薔薇騎士団の若き団長、剣の達人だが家事は苦手。レステッド家の生き残り。
エリノア・ベッシュ: 薔薇騎士団団員、剣の達人、コルンの騎士「王都の雀蜂」の一員。ユウを父の敵として追っていたが、最後は許す。
クリスティアーネ・デューリング: 薔薇騎士団副団長、エーデル領主デューリング家の娘、ベネディクトの実験台「最高傑作」。
* ルーツィエ・クーリー: 冒険者（魔法使い）、ミドルトン帝国の貴族出身。召喚魔術を使う。

サブキャラクター

本作には、ユウやヒロインたちをとりまく個性豊かなサブキャラクターたちが登場します。鉄騎士団のシュテラ、コルン宮中伯のヴァーリア、鉄騎士団長ディルク、エーデル領主ベネディクト、そしてユウの過去に深く関わる人物たちなど、彼らの存在が物語に奥行きを与えています。特に、ユウとルファ、そしてアロイスは、ベネディクトによる人体実験の被験者として、複雑な因縁で結ばれています。また、狂人化現象や、ミドルトン帝国と祝福コルン王国間の「六年戦争」といった背景も、物語の重要な要素となっています。

ゲームシステムとその他

ゲームシステムの詳細については割愛しますが、選択肢によってユウの記憶の戻り具合やエンディングが変化するなど、プレイヤーの選択が物語に影響を与える要素が盛り込まれています。また、美麗なグラフィックと、いとうかなこさんが歌う印象的な主題歌も本作の魅力のひとつです。 ダウンロード版も発売されており、幅広いユーザーに楽しまれています。

このゲームは、記憶喪失の青年と島の人々との交流、そして過去の謎解きという王道のストーリー展開でありながら、緻密に描かれた世界観と個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間ドラマが魅力です。それぞれのキャラクターの背景や、複雑に絡み合う人間関係、そして衝撃的な真実が明らかになる展開に、プレイヤーはきっと心を奪われるでしょう。

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