ボス (企業)

BOSS（ボス）は、かつて存在したローランド株式会社のグループ会社であり、主にエレクトリックギターおよびベース用のエフェクターを開発していました。1973年にローランドの研究開発部門として大阪で創業されたメグ電子株式会社を前身とし、2018年に親会社であるローランド株式会社に吸収合併される形で解散しました。しかし、そのブランド名は現在もローランド製品のエフェクターなどのギター関連製品のブランドとして使用され、多くのギタリストに愛されています。

代表的な製品

BOSSは数々の革新的なエフェクターを世に送り出してきました。その代表例として、コンパクトエフェクターの先駆けとなったオーバードライブ「OD-1」、多様なサウンドメイクを可能にするマルチエフェクター「MEシリーズ」および「GTシリーズ」などが挙げられます。これらの他にも、「SP-1」や「SG-1」といった名機が多数存在します。

エフェクター以外にも、リズムマシン（Dr.ビート/Dr.リズム シリーズ）、チューナー（TU シリーズ）、ダイレクトボックス「DI-1」など、長年にわたり定番商品として親しまれている製品があります。製品分野の多岐にわたる展開や仕様から、ローランド株式会社との密接な技術共有による開発、製品化、クロスブランドでの展開も頻繁に行われていると考えられます。

エフェクターに対する評価

BOSSのコンパクトエフェクターは、プロ・アマ問わず高い評価を受けており、その品質の高さと使いやすさから多くのミュージシャンに支持されています。2013年2月には、コンパクトエフェクターのシリーズ累計販売台数が100機種を突破しました。

特徴的なのは、その堅牢なフルアルミダイカストボディです。メンテナンス性に優れ、発売当初から変わらないそのデザインは、BOSSの製品を象徴するアイコンとなっています。ローランド株式会社は、この筐体を立体商標として登録しており、そのデザインが持つブランド価値を保護しています。

近年の製品

近年では、ハードディスクやフラッシュメモリを使用したマルチトラックレコーダーなど、デジタル技術を駆使した製品も多く発売しています。また、ギタリストがバッキングトラックに合わせて演奏を楽しめる「eBand」、フェンダー社の公認を得たアンプシミュレーター「レジェンド・シリーズ」、一人で演奏を重ねてパフォーマンスできる「Loop Station」など、新たなコンセプトに基づいた製品も展開しています。これらの製品には、BOSSが長年培ってきたエフェクター技術やモデリング技術が活かされており、ギタリスト向けのシンプルな操作性も特徴です。

BOSS事件

BOSSのロゴ入りTシャツなどのノベルティグッズを自社製品の購入者に配布した際、衣服・布製品の商標権を持つ企業から商標権侵害として訴訟を起こされるという出来事がありました。しかし、裁判の結果、ノベルティグッズは商品には該当しないという判決が下され、その後のノベルティグッズの扱いに関する判例となりました。

社名の由来

正式な社名の由来は不明とされていますが、社員の間では「エフェクターのペダル部分を『ボス（上司）を踏みつけるような感覚で』操作する」という、ユーモアあふれる説が語り継がれています。

代表取締役社長

BOSSの歴代の代表取締役社長は以下の通りです。

2007年4月1日より　伊与田哲司
2009年1月1日より　高橋政雄
2011年4月より　田中英一
2013年4月より　三木純一
* 2013年7月1日より　池上嘉宏

BOSSは、その革新的な製品と技術力で、音楽業界に大きな影響を与え続けています。

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