ボディペインティング

ボディペインティングとは

ボディペインティングは、人間の身体をキャンバスとして、塗料などを用いて直接絵や模様を描くボディアートの一種です。古くから世界各地の文化に見られ、現代では多様な表現方法が存在します。

歴史

ボディペインティングの歴史は古く、オーストラリアのアボリジニ、ネイティブ・アメリカン、アフリカ、東南アジア、インドなど、様々な地域で体にペイントを施す習慣がありました。これらの地域では、宗教的な儀式や通過儀礼、部族のアイデンティティを示すためなど、様々な目的でボディペインティングが行われていました。

20世紀に入ると、西洋社会においてアート表現としてのボディペインティングが注目されるようになりました。1933年のシカゴ万国博覧会では、マックス・ファクター・シニアがモデルにボディペインティングを施したことが公序良俗違反で逮捕されるという事件も起きましたが、1960年代頃から徐々に社会的に受け入れられるようになっていきました。

現代におけるボディペインティング

現代では、ボディペインティングはアート表現の手段としてだけでなく、政治的な抗議活動の手段としても用いられています。例えば、動物愛護団体が毛皮製品に対する抗議活動として、動物の柄をボディペインティングで表現するパフォーマンスを行うことがあります。

また、ボディペインティングをテーマとした様々なイベントやフェスティバルも開催されています。代表的なものとしては、1998年から開催されているワールド・ボディペインティング・フェスティバルや、Rabarama Skin Art Festivalなどがあります。これらのイベントでは、アーティストたちが高度な技術を駆使したボディペインティングを披露し、その美しさを競い合います。

その他、ヌーディストビーチやキャンプ場などで行われるイベントの一つとして、ボディペインティングのコンテストが開催されることもあります。ワールド・ネイキッド・バイク・ライドでは、ボディペインティングを施して参加する人もいます。

日本におけるボディペインティング

海外ではアートの一ジャンルとして認知されているボディペインティングですが、日本ではヌーディズムへの理解が進んでいないこともあり、性的な表現と見なされる場合があります。そのため、日本ではサッカーの応援時やハロウィンのフェイスペインティング、マタニティフォトを撮る際のベリーペイントなど、限定的な機会にボディペインティングが行われることが多いです。

ボディペインティングに使用する道具

ボディペインティングには、様々な道具が使用されます。

絵具：かつては市販の水性絵具やアルコール製の絵具が主流でしたが、近年では肌への負担が少ない天然ラテックス素材を使用した専用絵具も登場しています。
エアブラシ：エアブラシを使用することで、繊細な描写が可能になります。フェイクタトゥーやブライダルシーンなどで活用されています。
筆：筆は、細かい部分の表現や、絵具をぼかす際に使用します。
その他：ラメのパウダー（グリッター）や肌用の特殊な接着剤を使用し、肩や腕、デコルテ、背中、腰などにボディペインティングを施す「ボディジュエリー」と呼ばれる技法もあります。

フェイスペインティング

ボディペインティングの中でも、顔に絵や模様を描くことをフェイスペインティングといいます。フェイスペインティングは、古代から宗教的な理由などで装飾として行われてきました。現代では、テーマパークやパーティー、フェスティバルなどで見かけることが多いです。また、サッカーの応援などのスポーツイベントで、国旗を描くフェイスペインティングもよく見られます。

注意点

イベントなどでフェイスペイントを第三者が施す場合は、美容師法が適用される場合があります。美容師免許の取得と美容所としての登録が必要になる場合があるため、注意が必要です。

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