ボナファイド・スライド・ルール

ボナファイド・スライド・ルール概要

ボナファイド・スライド・ルール（bona fide slide rule）は、野球において走者が行うべきスライディングの基準を定めたものです。英語で「bona fide」を「正しい」と訳し、主に併殺プレーに関する走者の行動を規制します。これに関連して、「チェイス・アトリー・ルール」とも呼ばれ、これは2015年に起きた危険なプレーを受けて制定されたものです。

このルールは公認野球規則6.01(j)に記載され、走者が併殺を防ぐために接触を試みたり、不適切なスライディングを行った場合、守備妨害と見なされることがあります。この判断がなされると、走者と打者走者の両者がアウトにされることになります。

正しいスライディングの条件

ボナファイド・スライドとして認められるには、以下の四つの条件を満たす必要があります。
1. ベースに触れる前からスライディングを開始すること。
2. 足や手でベースに到達しようとすること。
3. スライディング終了後、ベースに留まること（ただし、本塁を除く）。
4. 野手に接触しようとせず、直線的にベースに滑り込むこと。

これらの条件を満たさない場合、例えばロールブロックや野手の上に足を高く上げて接触を試みるような行為は、正しいスライディングとは見なされません。

制定背景

メジャーリーグベースボールの具体的なルールは2016年に施行され、その後、日本の公認野球規則も2017年に改正されました。これにより、選手の安全を考慮したプレーが促進されています。

実例を通じた理解

1. 巨人対ヤクルト戦（2020年7月12日）
6回裏において、巨人の一塁走者ジェラルド・パーラが二塁へスライディングし、ヤクルトの二塁手山田との接触がありました。審判団は守備妨害を認め、パーラと打者走者炭谷の両者をアウトにするとの判定を下しました。このケースはボナファイドスライドルールに基づく典型といえます。

2. 巨人対阪神戦（2022年8月3日）
こちらでは、走者熊谷が二塁での接触に関して双方が異なる意見を持ちましたが、審判団は熊谷のスライディングが危険だと判断し、両者をアウトとしました。

3. 日本ハム対西武戦（2022年8月10日）
二塁走者の清宮がスライディング時に接触し、最後にビデオ判定により危険なプレーとしてアウトが宣告されました。

結論

ボナファイド・スライド・ルールは野球の安全性を高めるための重要なルールです。選手はこのルールに従って、正しいスライディングを行うことが求められます。また、実際のプレーを通じてこのルールを理解し、適切な判断が行われることが重要です。

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