ボビー・ワルデン

ボビー・ワルデン（Bobby Walden, 1938年3月9日 - 2018年8月27日）は、アメリカンフットボールの歴史に名を刻む名パンターです。ジョージア州ボストンで生まれ、7歳からフットボールを始めました。

高校時代からその才能は開花し、優れたパンターとして活躍。ラン、パス、ディフェンスでも才能を発揮し、多くの大学から奨学金のオファーを受けました。しかし、足を骨折したことがきっかけで、ジョージア大学以外の大学からの誘いはなくなってしまいます。そんな中、当時のジョージア大学のヘッドコーチ、ウォリー・バッツは「もう1本の足も骨折しても奨学金のオファーを出す」と伝え、彼の才能に惚れ込んでいたことが伺えます。

ジョージア大学では、1958年と1960年に全米トップの平均ヤードを記録。テキサス大学戦では3回のパントで平均63ヤード、ケンタッキー大学戦では70ヤードのパントを蹴り込み、敵陣3ヤードまでボールを戻すという驚異的な記録を残しました。また、オレンジボウルでは平均46.5ヤードを記録し、大会記録を更新しました。

1961年、AFLのヒューストン・オイラーズからドラフト4巡で指名を受けますが、CFL（カナディアン・フットボール・リーグ）のエドモントン・エスキモーズに入団。1961年、1962年とパント、ラン、レシーブでチームトップの成績を収めました。1963年シーズン途中には、ハミルトン・タイガーキャッツに移籍しています。

1964年、NFLのミネソタ・バイキングスに加入し、リーグトップの平均46.4ヤードを記録。バイキングスでは4シーズンプレーし、1966年には70ヤード、1967年には自己最長の76ヤードのパントを蹴り込みました。

1968年、当時低迷していたピッツバーグ・スティーラーズにトレードされ、1977年までプレー。1969年にはプロボウルに選出され、第9回、第10回スーパーボウルではチャンピオンリングを獲得しました。スティーラーズでは、チーム史上最多となる716パント、歴代7位の平均41.1ヤードを記録しました。

引退後、ジョージア州スポーツ殿堂に選ばれ、2007年にはスティーラーズの75周年アニバーサリーチームに選出。同年、スポーツ・イラストレイテッドからも偉大なスティーラーズの一員として選ばれました。

ロサンゼルス・チャージャーズのゼネラルマネージャー、ドン・クロスターマンは、ジョージア大学時代のワルデンの練習を見て「プロのパンターより優れている」と評価。大学、バイキングスで同僚だったフラン・ターケントンも「大学でも彼はベストのパンターだった」と語っています。

バイキングス時代にはフェイクパントで走ったこともありましたが、チャック・ノールがヘッドコーチを務めるスティーラーズでは、一度もフェイクプレーを行うことはありませんでした。

現役時代はもちろんのこと、引退後の2007年でも毎週6通から8通のファンレターが届いていたことからも、彼が多くのファンに愛されていたことがわかります。

ボビー・ワルデンは、その卓越した才能と人柄で、アメリカンフットボール界に大きな足跡を残した名パンターとして、今もなお多くの人々に記憶されています。

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