ボフォース 37mm対戦車砲

ボフォース37mm対戦車砲

ボフォース37mm対戦車砲は、1930年代の初めにスウェーデンのボフォース社によって開発された火砲であり、特に第二次世界大戦の初期に多くの戦場でその優れた性能を発揮しました。各国に輸出され、様々な武装勢力によって使用されました。

開発の背景

ボフォース社における対戦車砲の開発は1921年にまで遡ります。この年、技術者たちはドイツのクルップ社の設計を基にして37mm口径の試作砲を製造しました。試作砲は全体的に良好な性能を示しましたが、ボフォース社は満足せず、さらなる改良を重ねました。その結果、スイスにおける試験に参加しましたが採用には至りませんでした。これを受けて、ボフォース社は47mmの新型を開発し、ポーランドへ売込むも、こちらも即日の採用には結びつきませんでした。

ボフォース社はさらなる試作の結果、砲身のバリエーションを増やし、47mmと75mmの選択が可能な砲を開発しました。この過程で、37mmおよび81mmの口径でも製造できる型も登場し、さまざまな用途に対応可能となりました。1933年には中華民国がこの試作砲を購入し、1934年にはタイも導入しました。

公式採用と性能向上

1930年代初頭、スウェーデン軍からの新型対戦車砲の発注に応じて、ボフォース社は1931年に新しい37mm砲の開発を開始しました。当初の試作砲は重量800kgという重さが課題でしたが、革新的な多孔式マズルブレーキの導入により、400kgにまで軽量化が成功しました。また、馬による牽引を考慮し、砲は11の部品に分解可能でした。これにより、分解にかかる時間はわずか4分程度で、牽引から射撃態勢に入るまでには30秒もかかりませんでした。

その性能も高く、700m離れた20mmの装甲板を貫通できる能力が確認されました。防盾は5mmという厚さで、形状も工夫されていました。1932年までにプロトタイプが完成し、その後、1934年に「37mm infanterikanon m/34」として正式に採用されました。さらに、1938年には改良版の「37mm pansarvärnskanon m/38」が正式採用され、外見上の特徴としては新しい車輪デザインと不規則な波形の防盾がありました。

技術的仕様

ボフォース37mm対戦車砲の主要な仕様は以下の通りです：

• - 種別: 対戦車砲
• - 口径: 37mm
• - 砲身長: 1.74m（45口径）
• - 重量: 370kg
• - 全長: 3.04m
• - 全幅: 1.09m
• - 全高: 1.03m
• - 作動機構: 垂直鎖栓式閉鎖機、開脚架

性能面では、俯仰角は-10度から+25度まで調整可能で、旋回角は50度、初速は800m/s、発射速度は毎分12発であり、有効射程は4000m、最大射程は6500mです。弾薬としては徹甲弾、榴弾、発煙弾が使用され、37mm×258mm Rの規格が採用されました。

運用の歴史

この砲はスウェーデンで開発されましたが、イギリス、オランダ、スペイン、ソビエト連邦、ドイツ、デンマーク、トルコ、フィンランド、ポーランド、ルーマニア、ユーゴスラビアなど数多くの国々で運用されました。特にイギリスは250門を発注し、オランダは12門を購入しライセンス生産も実施しました。

さらに、スペイン内戦や第二次世界大戦においてもボフォース37mm対戦車砲は活躍しました。ドイツは捕獲した砲を「3,7cm Pak36(p)」、「3,7cm Pak157(d)」として使用しました。フィンランドでは冬戦争で軽戦車に対抗し続けたが、継続戦争では効果的ではありませんでした。このように、ボフォース37mm対戦車砲は様々な国で重要な役割を果たした武器でした。

結論

ボフォース37mm対戦車砲は、その開発から第二次世界大戦にかけて、戦場で多くの影響を及ぼした対戦車砲であり、コンパクトでありながら高い性能を誇る火砲として評価され続けています。

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