ボフォース 70口径40mm機関砲

ボフォース70口径40mm機関砲について

ボフォース70口径40mm機関砲（Bofors 40mm L/70）は、スウェーデンのボフォース社が1940年代後半に開発した対空兵器です。この砲は、第二次世界大戦中に広く使用されたボフォース60口径40mm機関砲の後継モデルであり、戦争後の新しい脅威に対応するために設計されました。

開発の背景

戦後、ボフォース社は、62口径40mm機関砲の在庫が各国にある現状を踏まえ、次世代の対空兵器の開発に着手しました。当初、既存の砲が時代遅れになる可能性が高まり、将来的に必要とされる対空能力を持つ新型兵器の市場が出現すると予測しました。その結果、1947年に試験を開始し、1948年末にはスウェーデン陸軍に採用される運びとなりました。

設計と性能

ボフォース70は、基本的な構造は従来のモデルに似ていますが、砲身が70口径相当の長さに延長され、ライフリングは16条からなります。これにより、発射速度は最大300発/分に達し、実用的には240発/分に向上しました。さらに、後に装填機構が革新され、450発/分の発射能力を持つ改良型も登場しました。

給弾の方式は、同様に4発入りの挿弾子を用い、艦載型でも空冷式の機構が採用されました。弾薬には、より長い40×365mmR弾が使用され、初速は約1,025メートル毎秒に達します。これにより、対空能力も大きく向上しました。複数国で運用される中で、オランダ軍等は早期のモデルを後に改修し、新たな弾薬に適合させて使用しました。

陸上型と艦載型

陸上型は1953年にNATOの標準的な対空機関砲に採用され、外部電源を使用するタイプと、補助動力装置を持つタイプの二種が一般的です。射撃統制には多様なシステムが用いられ、特に光学機器を利用したシステムが開発されました。1970年代には、新たに全天候型モデルも制作されました。

艦載型については、ボフォース社はSAKと名付けられた複数のマウントシステムを開発しました。中でもSAK 40L/70-315は手動操作式の簡易モデルであり、SAK 40L/70-350とSAK 40L/70-520はそれぞれ電動機能や自動給弾装置を導入することで性能が向上しました。最終的に、トリニティと呼ばれる新型モデルも開発され、発射速度や射程の向上が図られました。

国際的な運用

ボフォース70は多くの国で採用され、陸上型、艦載型ともにその存在感を発揮しています。特に、イタリアのブレーダ社がライセンス生産し、独自の艦載マウントが多様に展開されました。そして、この機関砲は、さまざまな戦闘車両や防空システムに搭載され、時代と国際的な安全保障ニーズに応える形で進化を続けています。

ボフォース70口径40mm機関砲は、設計発表から長い年月が経過してもなお、その独自の性能と適応力によって、現代の防空システムにおいても重要な役割を果たしています。

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