ボヤージュ・オブ・タイム

『ボヤージュ・オブ・タイム』（Voyage of Time）は、テレンス・マリック監督が長年構想を温めてきた、宇宙の誕生と終焉を探求する壮大なドキュメンタリー映画です。監督自身が「私の最大の夢のひとつ」と語る本作は、IMAX版と35mm全長版の2つのバージョンが存在し、それぞれ異なる魅力を持っています。

作品概要

監督・脚本: テレンス・マリック
公開年: 2016年
製作国: アメリカ合衆国
上映時間: IMAX版 約40分、全長版 約90分

ナレーター

IMAX版: ブラッド・ピット
35mm全長版: ケイト・ブランシェット
* 日本語吹替版: 中谷美紀

製作の背景

本作の起源は、1970年代にマリック監督がパラマウント・ピクチャーズで企画した、地球の生命を探求する映画『Q』に遡ります。当初の予算は100万ドルでしたが、マリック監督はプロジェクトから離れ、『Q』の要素と映像は、後に『ツリー・オブ・ライフ』（2011年）と『ボヤージュ・オブ・タイム』に流用されることになりました。2009年にはブラッド・ピットがナレーターを務めることが発表され、2014年にはケイト・ブランシェットが加わりました。エマ・トンプソンもナレーション収録に参加しましたが、完成版で使用されているかは不明です。

撮影

撮影は世界各地で行われました。アメリカ南西部、ハワイ、アイスランド、モントレー、チリ、パラオ、ソロモン諸島、パプアニューギニアなど、多様な自然環境が映像に収められています。

公開と評価

全長版は、第73回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、金獅子賞を争いました。IMAX版は、2016年10月7日より北米で公開されました。日本では、2017年3月より90分の全長版が公開されています。

批評家の間では、IMAX版はRotten Tomatoesで92%、Metacriticで77/100の高評価を得ています。全長版は、Rotten Tomatoesで65%、Metacriticで68/100の評価となっています。

特徴

『ボヤージュ・オブ・タイム』は、視覚効果を駆使した映像美が特徴です。宇宙の誕生、生命の進化、地球の歴史などを、圧倒的な映像で描き出しています。ナレーションも、ブラッド・ピットとケイト・ブランシェットという実力派俳優が担当し、作品に深みを与えています。テレンス・マリック監督ならではの映像詩的な演出も、本作の魅力の一つです。

鑑賞方法

本作は、IMAX版と全長版の2つのバージョンがあります。IMAX版は、大画面と迫力のある音響で、より臨場感あふれる映像体験ができます。全長版は、より深く、より長い時間、宇宙と生命の神秘に浸ることができます。

まとめ

『ボヤージュ・オブ・タイム』は、テレンス・マリック監督の映像美と、壮大なテーマが融合した、他に類を見ないドキュメンタリー映画です。宇宙や生命の神秘に興味がある方はもちろん、美しい映像を楽しみたい方にもおすすめの作品です。

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