ボリングブルック伯爵

ボリングブルック伯爵は、イングランド貴族とジャコバイト貴族という異なる背景の下で二度創設された爵位です。それぞれの創設経緯と、その後の変遷について詳しく見ていきましょう。

イングランド貴族としてのボリングブルック伯爵

イングランド貴族としてのボリングブルック伯爵位は、1624年12月28日に創設されました。初代伯爵に叙されたのは、第4代ブレッツォのシンジョン男爵オリバー・シンジョンです。彼は、それまでの功績が認められ、伯爵位を授与されました。

初代伯爵の長男であり、推定相続人であったオリバー・シンジョンは、1641年に繰上勅書によりブレッツォのシンジョン男爵位を継承しました。しかし、彼は1642年のエッジヒルの戦いで戦死するという悲劇に見舞われます。この戦いは、イングランド内戦の初期の重要な戦いの一つであり、彼の死はシンジョン家にとって大きな損失でした。

初代伯爵の次男ポーレットの息子であるオリバー・シンジョンが、その後を継いで第2代伯爵となりました。しかし、彼は1688年に子供のないまま亡くなったため、爵位は弟であるポーレット・シンジョンに引き継がれます。ポーレット・シンジョンは、ベッドフォード選挙区選出の庶民院議員を務めていました。

ポーレット・シンジョンは第3代伯爵となりましたが、彼もまた未婚のまま1711年10月5日に亡くなったため、イングランド貴族としてのボリングブルック伯爵位はここで断絶しました。

ジャコバイト貴族としてのボリングブルック伯爵

ジャコバイト貴族としてのボリングブルック伯爵位は、1715年7月26日に創設されました。この爵位を創設したのは、ジェームズ老僭王です。初代ボリングブルック子爵であったヘンリー・シンジョンが、ジェームズ老僭王によってボリングブルック伯爵に叙されました。

ヘンリー・シンジョンは後に許されて帰国しますが、ハノーヴァー朝政府はジャコバイトによって創設されたボリングブルック伯爵位を承認しませんでした。そのため、この爵位は正当なものとしては認められませんでした。

ヘンリー・シンジョンは1751年12月12日に73歳で亡くなり、ジャコバイト貴族としてのボリングブルック伯爵位も断絶しました。しかし、ボリングブルック子爵位は、彼の甥であるフレデリック・シンジョンが継承しました。

このように、ボリングブルック伯爵位は二つの異なる経緯を経て創設され、それぞれ短期間で断絶するという歴史を辿りました。イングランド貴族としての爵位は、シンジョン家の内部での継承問題により、ジャコバイト貴族としての爵位は、政治的な承認を得られなかったことにより、その終焉を迎えたのです。

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