ボルチモアカントリークラブ

ボルチモアカントリークラブ：アメリカの歴史と伝統を紡ぐ名門クラブ

ボルチモアカントリークラブ（BCC）は、米国メリーランド州ボルチモアに位置する、長い歴史と伝統を誇る会員制カントリークラブです。1898年の設立以来、1世紀以上にわたり、ゴルフをはじめとする様々なスポーツや社交の場を提供し、アメリカ社会において重要な役割を果たしてきました。

2つのキャンパスと充実した施設

BCCは、市内ローランドパーク地区と北部郊外のルーサービルの2カ所にキャンパスを構えています。2つのキャンパスを持つクラブは全米でも12しかないとされ、その規模と格式の高さが伺えます。

各キャンパスには、それぞれ特色ある施設が充実しています。ゴルフ場はイーストコースとウェストコースの2つがあり、特にイーストコースは名匠A・W・ティリングハーストの設計で、全米でも高い評価を受けています。その他にも、テニスコート、ピックルボールコート、スカッシュコート、スイミングプール、フィットネスセンター、レストランなど、会員の多様なニーズに応えるための設備が整っています。

歴史と伝統

1898年1月12日に設立されたBCCは、その翌年には早くも全米オープンを開催しました。ローランドパークに最初に作られたコースは、メリーランド州初の18ホールコースであり、USGAによって米国で最初に設立された100クラブの一つに認定されています。

その後も、全米プロゴルフ選手権、ウォーカーカップ、全米アマチュアゴルフ選手権、全米女子オープン、シニアPGAツアーなど、数々のメジャー大会の舞台となってきました。これらの実績は、BCCがアメリカのゴルフ界において、いかに重要な存在であるかを示しています。

ゴルフコースとランキング

ファイブファームズには、イーストコースとウェストコースの2つのゴルフコースがあります。イーストコースは、1926年にA・W・ティリングハーストによって設計され、2015年にはキース・フォスターによる修復が行われました。この修復により、樹木の除去、バンカー位置の修正、グリーン傾斜の変更、フェアウェイの芝の張り替えなどが行われ、コースの戦略性と美しさが向上しました。

イーストコースはその評判の高さから、各種ゴルフ団体から高く評価されており、ゴルフマガジン誌においては全米トップ100コースに選出されています。また、プラチナカントリークラブのランキングでも上位に位置するなど、名実ともにアメリカを代表するゴルフコースの一つと言えるでしょう。

ローランドパークの歴史

1898年、およそ1,000人のメンバーでローランドパークの125エーカー（51ヘクタール）の用地で発足しました。1930年10月には、ローランドパークのクラブハウスが火災により損傷し、修理中の1931年1月5日に再び火災に遭い全損しました。新しいクラブハウスは1932年4月1日に正式にオープンし、南部連合国スタイルの「ジョージアンルーム」は、ホールの羽目板類や黒のベルギー大理石、グリルの石や松などがこんにちでもそのまま残っています。

多様なスポーツと社交の場

BCCは、ゴルフ以外にも、テニス、スカッシュ、水泳など、様々なスポーツを楽しむための施設が充実しています。また、クラブハウスにはレストランやバーがあり、会員同士の社交の場としても活用されています。

特に、ローランドパークにあるスカッシュコートは国際規格を満たしており、プロのスカッシュトーナメントも開催されています。また、1932年に作られたダックピンボウリング場は現在でも稼働しており、会員に親しまれています。

会員制クラブとしての役割

BCCは、会員制クラブとして、会員同士の交流や親睦を深めるための様々なイベントやプログラムを提供しています。これらの活動を通じて、会員は互いに協力し、地域社会に貢献しています。

人種的な論争と変化

過去には人種的な論争がありましたが、1995年に初めて黒人会員を受け入れました。この出来事は、BCCが社会の変化に対応し、多様性を尊重する姿勢を示すものと言えるでしょう。

ボルチモアカントリークラブは、その長い歴史と伝統の中で、常に変化を恐れず、新しい価値を創造してきました。これからも、アメリカ社会における重要な存在として、その役割を果たし続けることでしょう。

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