全米アマチュアゴルフ選手権

全米アマチュア選手権とは

全米アマチュア選手権（U.S. Amateur Championship）は、アメリカ合衆国で毎年8月に開催される、アマチュアゴルファーの頂点を決める権威あるトーナメントです。全米ゴルフ協会（USGA）が主催し、7日間にわたる熱戦が繰り広げられます。

大会の歴史

1894年、アメリカでは「全国アマチュア選手権」という名の大会が二つ別々に開催されました。一つはニューポートカントリークラブ、もう一つはセイント・アンドリュースゴルフクラブで行われ、それぞれ異なる優勝者が出ました。この状況を憂慮したシカゴゴルフクラブのチャールズ・B・マクドナルドが、統一ルールでの全国選手権と、それを統括する団体の必要性を提唱。その結果、同年12月にアマチュアゴルフ協会（後の全米ゴルフ協会、USGA）が設立され、翌年にはUSGA主催の全米アマチュア選手権と全米オープンがニューポートカントリークラブで初めて開催されました。

参加資格と試合方式

参加資格に年齢や性別の制限はありませんが、ハンディキャップインデックスが2.4以下である必要があります。かつてはUSGA加盟クラブに所属している必要がありましたが、1979年にこの規定は撤廃されました。大会は、最初の2日間をストロークプレーで行い、上位64名がマッチプレー方式に進んで優勝を争います。

近年は、プロを目指す10代後半から20代前半の選手の優勝が目立ちますが、第二次世界大戦前は、トップレベルの選手でもアマチュアのまま競技を続けることが多かったため、優勝者の平均年齢も高めでした。

著名な優勝者

ボビー・ジョーンズ（5回優勝）、ジェローム・トラバース（4回）、ジャック・ニクラウス（2回）、タイガー・ウッズ（3連覇）など、多くの有名なゴルファーが全米アマチュア選手権で優勝を果たしています。1993年には、タイガー・ウッズがベスト16で敗退したものの、翌年には最年少記録となる18歳で優勝を飾りました。その後、この記録は2008年にダニー・リー、2009年にはアン・ビョンフンによって塗り替えられています。

日本人選手では、2015年に小西健太が準決勝に進出したのが最高成績です。

大会の重要性

かつてはメジャー大会の一つとして数えられていたこの大会は、現在でもその権威は高く、優勝者には全米プロゴルフ選手権を除くすべてのメジャートーナメントへの招待状が送られます。また、準優勝者にもマスターズと全米オープンの招待状が送られます。ただし、招待を受けた選手は、大会開催期間まではアマチュア資格を維持する必要があります。

全米ミッドアマチュア選手権

将来プロを目指す選手だけでなく、キャリアを積んだアマチュア選手にも活躍の場を提供するため、1981年には全米ミッドアマチュア選手権が創設されました。この大会は25歳以上のアマチュア選手を対象としており、プロ転向を考えていない優れた選手たちが競い合っています。

予選免除資格

全米各地で行われる予備予選を勝ち抜いた選手が本戦に出場できますが、以下の条件を満たす選手は予備予選が免除されます。

過去10年間の優勝者
過去3年間の準優勝者
過去2年間の準決勝進出者
前年度準々決勝進出者
当年全米オープン出場者
前年全米オープン決勝ラウンド進出者
当年全米シニアオープンローアマ
過去2年間の全米ミッドアマチュア優勝・準優勝者
過去2年間の全米ジュニアアマチュア優勝・準優勝者
過去2年間の全米シニアアマチュア優勝・準優勝者
過去2大会のウォーカーカップ出場者
過去2大会のアイゼンハワートロフィー出場者
当年コパ・デ・ラス・アメリカス出場者
NCAA男子ゴルフ選手権個人優勝者
過去5年間の全英アマ優勝者
現在の世界アマチュアゴルフランキング上位50名
歴代優勝者

プロに転向した場合、これらの資格は失われます。

今後の開催予定地

2041年：バンドンデューンズゴルフリゾート
2047年：オークランドヒルズカントリークラブ

関連情報

全米女子アマチュアゴルフ選手権
全英アマチュアゴルフ選手権

外部リンク

公式サイト（歴代優勝者などの情報も掲載）

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