ボルチモア・カナリーズ

ボルチモア・カナリーズについて

ボルチモア・カナリーズ（Baltimore Canaries）は、1872年から1874年までアメリカ・メリーランド州ボルチモアを拠点にしていたプロ野球チームです。この球団はナショナル・アソシエーションに加盟し、同団体の一員として短い歴史を刻みました。カナリーズという名称は、チームのユニフォームが鮮やかな黄色で全身を覆っていたことから、スポーツ記者によって「カナリアのようだ」と形容されたことに由来しています。さらに、別名として「ロード・ボルチモア」や「イエローストッキングス」も知られています。

球団の歴史

1872年のナショナル・アソシエーションの拡張に伴い、ボルチモア・カナリーズはリーグに参加しました。初年度から注目を集め、リーグで2位という成果を挙げます。この年、先発投手のボビー・マシューズは25勝を挙げ、リップ・パイクはリーグ最多の60打点を記録するなど、個々の選手も輝かしい成績を収めました。特に、パイクはその足の速さでも知られ、当時の雑誌には彼が本拠地で競走馬と競争を行ったことが話題にされました。

しかし、1874年にはチームの運命が暗転します。主力選手のパイクやカミングスがチームを去り、エイサ・ブレイナードが主力投手として登板しましたが、彼は当時33歳で、すでにピークを過ぎた選手でした。そのため、彼のパフォーマンスは期待外れであり、新聞記事には「ブレイナードの投球は説明がつかないほど弱々しい」との辛辣な評価が記載されています。この年、カナリーズは5勝22敗という成績を残し、シーズン終了後には観客動員も減少。結局、球団は1874年を最後に解散しました。

主な戦績と選手

カナリーズの中で際立った選手には以下のような名前が挙げられます：

• - リップ・パイク：1872年には6本塁打と60打点を記録し、リーグでの最多打点を獲得。
• - エバレット・ミルズ：ボルチモア在籍中に通算166安打、91打点を記録しました。
• - ボビー・マシューズ：初年度の1872年に25勝18敗の成績を残しました。
• - キャンディ・カミングス：1873年に28勝を挙げ、球団の主力投手として支持されました。
• - エイサ・ブレイナード：1873年と1874年での通算成績は10勝29敗。

主な記録

カナリーズにおいて特に注目される記録には、リップ・パイクによる通算安打数174本と打点数111点、キャンディ・カミングスの通算勝利数28、ボビー・マシューズによる通算奪三振数57が挙げられます。

結論

ボルチモア・カナリーズは短命ながらも、プロ野球史上に名を刻んだチームでした。その強力な選手たちの活躍は、当時の野球ファンに記憶され続けています。

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