キャンディ・カミングス

ウィリアム・アーサー・"キャンディ"・カミングス：カーブのパイオニア

ウィリアム・アーサー・"キャンディ"・カミングス（William Arthur "Candy" Cummings, 1848年10月18日 - 1924年5月16日）は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ウェア出身のプロ野球選手でした。右投げ右打ちの投手として、19世紀の野球界にその名を刻みました。

カーブの誕生

カミングスは、野球における革新的な球種「カーブ」の考案者として広く知られています。1867年、ウースター（マサチューセッツ州）での試合で初めてカーブを投げたとされています。その着想は、貝殻が回転しながら飛んでいく様子から得たと言われています。このカーブの発明は、野球の戦術に革命をもたらし、投手の戦略に新たな可能性を開きました。

プロ野球選手としての活躍

1872年、カミングスはニューヨーク・ミューチュアルズに入団し、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。同年には55試合に登板し、33勝20敗、3完封という目覚ましい成績を収めています。当時のルールでは下手投げのみが認められていたため、完封勝利は非常に困難でしたが、カミングスはその中でリーグ最多となる完封を達成しました。1877年まで投手として活躍し、その後、創設されたばかりのインターナショナル・アソシエーションというプロ野球リーグの初代理事長に就任しました。

野球殿堂入りと晩年

カミングスは1924年にオハイオ州トレドで亡くなりましたが、彼の野球への貢献は色褪せることなく、1939年には野球の発展に貢献した人物としてアメリカ野球殿堂入りを果たしました。

カーブの起源に関する異説

カーブの発案者については、フレッド・ゴールドスミスとする説も存在します。野球歴史家のヘンリー・チャドウィックらの著作によると、カーブが初めて投げられた公式記録は、1870年8月16日にブルックリンで行われた試合であるとされています。

記録と栄光

最多奪三振：1875年
最多完封：1872年、1875年
ダブルヘッダー2試合を続けて完投した最初の投手（1876年9月9日）

カミングスの革新的な投球術と野球への貢献は、今日でも野球史に燦然と輝いています。

関連項目

カーブ (球種)
* メジャーリーグベースボールの選手一覧 C

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