ボルデー・ジャング培地

ボルデー・ジャング培地について

ボルデー・ジャング培地（Bordet-Gengou agar）は、百日咳の病原菌であるBordetella pertussisの増殖に最適な培地です。この培地は、ジャガイモの滲出液を基にしており、その成分のおかげで特異な条件下での培養が可能です。以下では、この培地の組成や製法、培養方法などを詳述します。

培地の組成及び製法

この培地を作るためには、まずpHを7.0に調整します。その後、内容物を加熱して溶解し、高圧蒸気滅菌を行います。具体的には、115℃で15分間滅菌を行った後、温度を約50℃まで下げます。この状態で、無菌の保存血液や脱繊維素血を20%の割合で加えます。混合の際には、泡立てないように注意深く行い、固まる前に平板培地の形にします。

使用する血液成分

ボルデー・ジャング培地には、実に様々な動物の血液が使用されることがあります。具体的には次の種類の血液が適しています：

• - 緬羊の血液
• - 家兎の血液
• - 馬の血液
• - ヒトの血液（特にO型が推奨されます）

培養の方法

この培地は主に平板培地として使用され、事前に無菌試験を行い、問題のない物のみ使用されます。培地は乾燥に非常に敏感であり、すぐに死滅してしまいます。そこで、患者の口元に培地をかざし、咳によって飛沫として出る分泌物を直接培地につけて培養する方法も採用されています。

培養は37℃で行い、通常4〜5日間持続します。この環境下で、円形の凸型の真珠色または金属光沢を持つ小さなコロニーが形成されます。また、集落の周囲にはぼやけた溶血がみられることがあります。なお、X因子やV因子の存在があると、Bordetella pertussisの発育が促進されるため、培養条件として非常に重要です。

脚注

• - ボルデー・ジャング培地は、特定の病原菌を培養するためにデザインされた特殊な培地であり、臨床検査や研究で重宝されています。
• - この培地に関連する情報として、百日咳やその原因菌に関連する研究は、今後も多くの人々の健康にとって重要な意味を持つでしょう。

関連項目

• - 百日咳
• - ジャガイモ
• - X因子
• - V因子
• - 寒天培地
• - ジュール・ボルデ

外部リンク

• - 百日咳についての情報（横浜市衛生研究所 感染症・疫学情報課）

ボルデー・ジャング培地は、百日咳の病原菌を理解する上で、またその感染症の診断や研究に重要な役割を果たします。

もう一度検索