ボルネオテツボク

ボルネオテツボク（学名：Eusideroxylon zwageri）は、東南アジアを原産とするクスノキ科の常緑広葉樹です。インドネシア、マレーシア、ボルネオ島などの海岸地域に自生しており、ウリン（ulin）、ブリアン（belian）、ベリアン、ビリヤン（billian）、ボルネオアイアンウッド（Borneo ironwood）といった様々な名前で呼ばれています。

ボルネオテツボクの最大の特徴は、その非常に硬く、耐久性に優れた木質です。成長は極めて遅いものの、その幹は非常に強靭で、キクイムシやシロアリなどの害虫による食害に強い耐性を持っています。さらに、木材腐朽菌に対しても高い抵抗力を示し、土に接した状態でも40年、乾燥した状態では100年以上も腐敗しないと言われています。

この驚異的な耐久性から、ボルネオテツボクは主に屋外での使用に適しており、ウッドデッキや浮桟橋などの構造材として広く利用されています。その強度と長寿命性から、メンテナンスの手間を大幅に削減できるため、公共施設や商業施設など、耐久性が求められる場所で重宝されています。

日本では、1996年にボルネオテツボクの輸入が解禁されました。それ以来、その高い耐久性と美しい木目が評価され、高級木材として様々な用途に利用されています。

ボルネオテツボクは、成長が遅いため、資源の持続可能性に配慮した利用が求められます。合法的に伐採された木材を選ぶことや、他の持続可能な木材の利用を検討するなど、環境への負荷を低減する取り組みが重要です。ボルネオテツボクの利用は、その優れた特性を活かしつつ、将来の世代にもその恩恵が受け継がれるように、責任ある選択が求められます。

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