ボロジノ (戦艦)

ボロジノ - 前弩級戦艦の奮闘

ボロジノ（ロシア語：Бородино́）とは、ロシア海軍が日露戦争の前に建造した前弩級戦艦で、ボロジノ級の1番艦です。この艦は日本海海戦において、バルチック艦隊に配備され、特にその名において知られる存在となりました。

概要

ボロジノは竣工後、バルチック艦隊の一部として配置され、アフリカ大陸やマラッカ海峡を経て、最終的にウラジオストクに向けて航行しました。この艦は日本海海戦の際、第一戦隊の一艦としてクニャージ・スヴォーロフやインペラートル・アレクサンドル3世とともに行動しました。

艦長のセルプリャニコフ大佐の指揮の下、ボロジノは艦隊を先導する役割を担いました。当初、艦はほとんど損害を受けていませんでしたが、18時以降の砲戦において、日本側からの集中砲火に晒され、大きな損害を被ります。その中で、イギリスの観戦武官ウィリアム・ペケナムは、「この艦の堅忍不抜と勇気は例の無いものである」とまで評しました。

悲劇の転覆

しかし7時20分頃、ボロジノは突然2度の大爆発を起こし、沈没しました。公式記録では戦艦富士の主砲弾が命中したためとされていますが、一部では艦内の火薬庫で火災が発生した可能性も示唆されています。生存者は艦首に配置された75ミリ砲の砲手であるユシチェンコ一人だけであったと言われています。彼は持ち場が被弾したために避難を試みましたが、道を阻まれ艦が転覆したため、脱出を果たしました。

他にも数名が漂流していたようですが、次々と力尽き、結局ユシチェンコ一人が近くを通過した日本の駆逐艦朧に救助されました。この救助の際、日本側の乗組員が艦名を叫んでいたのは、実際には彼がボロジノの艦名を叫んでいたためだというエピソードも残っています。

関連する艦艇

ボロジノの同型艦であるクニャージ・スヴォーロフやオリョールも日露戦争に参加しており、これらの艦艇はボロジノとともに重要な戦闘の場に立ち会いました。戦争の歴史を通じて、こうした艦艇の活動は無視できないものでした。

参考文献

ボロジノについては多くの資料が存在します。特に以下の書籍が参考になります。

• - 「坂の上の雲では分からない日本海海戦」別宮暖郎著（並木書房）
• - 「別館歴史読本　日露戦争と日本海海戦」（新人物往来社）

ボロジノの歴史は、日露戦争における艦艇の運命と勇気を示す重要な証言となっています。

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