ボンジュール、アン

映画『ボンジュール、アン』

エレノア・コッポラ監督が、長編映画監督デビューを飾った作品が『ボンジュール、アン』（原題: Paris Can Wait）です。この映画は、ダイアン・レインが主演を務め、カンヌからパリへの道中を舞台にした、心温まるコメディドラマです。

あらすじ

映画プロデューサーの夫、マイケルとカンヌに滞在していたアン・ロックウッド。映画祭が終われば、夫婦でパリでの休暇を楽しむはずでした。しかし、マイケルの急な仕事でブダペストへ行くことになり、アンも同行しようとしましたが、耳の炎症で飛行機に乗ることができなくなってしまいます。

困り果てていたアンに、マイケルのビジネスパートナーであるジャックが、パリまで車で送ると申し出ます。カンヌからパリまでは約7時間の距離でしたが、食いしん坊のジャックは、道中、名所や美味しいレストランを見つけるたびに寄り道をするため、なかなか目的地に着きません。

ジャックは、機知に富んだ会話でアンを楽しませますが、アンは彼の真意を測りかねていました。ある教会では、亡くなった子供のことを思い出し、ネックレスのロケットに入った写真を見つめ悲しみに暮れます。ディナーの席では、ジャックは積極的にアンを誘惑します。予期せぬ旅は楽しい時間でしたが、目的地に到着したことで、終わりを迎えました。別れ際、ジャックはアンに思いがけない行動に出ます。

キャスト

アン・ロックウッド: ダイアン・レイン（日本語吹替: 佐々木優子）
ジャック・クレマン: アルノー・ヴィアール（日本語吹替: 玉野井直樹）
マイケル・ロックウッド: アレック・ボールドウィン（日本語吹替: 田中正彦）
マルティーヌ: エリーズ・ティエルローイ（日本語吹替: 庄司まり）
* キャロル: エロディ・ナヴァール（声の出演）（日本語吹替: 森なな子）

製作

当初、ダイアン・レイン、ニコラス・ケイジ、イヴァン・アタルの出演が発表されましたが、後にケイジとアタルが降板し、アレック・ボールドウィンとアルノー・ヴィアールが代役を務めることになりました。主要撮影は2015年6月から7月にかけて行われました。

公開と興行収入

『ボンジュール、アン』は、2016年9月12日にトロント国際映画祭でプレミア上映されました。その後、ソニー・ピクチャーズ・クラシックスが全米配給権を獲得し、2017年5月12日に全米4館で限定公開され、初週末には約9万8千ドルを売り上げ、週末興行収入ランキングで36位となりました。

評価

この映画に対する批評家の評価は分かれています。
映画批評サイトのRotten Tomatoesでは、106件のレビューに基づき、批評家支持率は45%、平均点は5.4/10となっています。批評家の意見をまとめると、「魅力的な俳優たちが揃っているが、彼らの才能は十分に活かされていない。映画には面白いアイデアやキャラクターが不足しており、美しい風景以外には特に見るべきものがない」と評されています。また、Metacriticでは、25件のレビューに基づき、加重平均値は48/100となっています。

総評

『ボンジュール、アン』は、美しいフランスの風景を背景に、人生の小さな喜びや心の機微を描いた作品です。ダイアン・レインとアルノー・ヴィアールの演技は魅力的ですが、ストーリー展開やキャラクター設定に物足りなさを感じる批評家もいるようです。
この映画は、美しい映像とともに、ゆったりとした時間を楽しみたい方におすすめです。旅行気分を味わいながら、人生の小さなドラマに触れてみてはいかがでしょうか。

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