ボンブール

ボンブールは、ドゥリンの家系に連なる高貴なドワーフではなく、労働者階級出身です。ボフールとは兄弟であり、ビフールは従兄弟にあたります。彼は薄緑色の頭巾を愛用し、ビルボ・バギンズの家で行われた夕食後には、陽気に太鼓を演奏するなど、パーティの盛り上げ役としても活躍しました。

ボンブールの最大の特徴は、その体格です。彼はかなりの肥満体質であり、エレボールへの冒険の道中、しばしばトラブルを引き起こす存在として描かれています。しかし、その巨体にもかかわらず、意外な一面も持ち合わせています。

映画『ホビット』では、スティーブン・ハンターがボンブールを演じました。映画でのボンブールは、栗色の髪と髭を持ち、原作同様に巨漢として表現されています。しかし、映画独自の脚色として、他のドワーフを圧倒するほどの俊足や、軽々と松の木に登るなど、卓越した運動能力が加えられています。原作では目立った活躍はありませんでしたが、映画ではその身体能力を活かしたアクションシーンも見られました。

また、映画でのボンブールは、ほとんどセリフがありません。その分、コミカルな動きや表情で観客を魅了しています。彼は一行の調理師という設定ですが、本職は建築士であるという裏設定も存在します。武器は、その大きな身体と、調理に使うお玉杓子です。一見頼りなさそうに見えますが、いざとなれば自慢の怪力で敵を打ち倒す、頼もしい仲間の一人です。

このように、ボンブールは原作と映画で異なる側面を持ちながらも、そのユニークなキャラクター性で多くのファンを魅了し続けています。彼は、冒険におけるコミックリリーフ的な役割を担うだけでなく、困難な状況でも仲間を支える、なくてはならない存在なのです。

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