ボーイズラブゲーム

ボーイズラブゲーム（BLゲーム）とは

ボーイズラブゲーム、通称BLゲームまたはBLGは、女性向け恋愛ゲームの中でも、特に男性同士の恋愛（ボーイズラブ）を主題とした作品群を指します。このジャンルは、しばしば「ボブゲ」とも略されます。

概要

BLゲームの多くは、当初18禁のパソコンゲームとして登場しましたが、その後、家庭用ゲーム機への移植も盛んに行われるようになりました。初めて移植された作品は、ドリームキャスト版の『Fragrance Tale ～フレグランス テイル～』（2001年7月発売）です。その後、ソニーの審査基準が緩和されたことを受け、プレイステーション版『王子さまLV1』（2002年3月発売）などが登場し、2006年頃にはプレイステーション2への移植が主流となりました。しかし、家庭用ゲーム機オリジナルの作品は『星のまほろば』などごく少数にとどまっています。

近年では、モバイルゲームに限定されたボーイズラブ系ゲームも配信されており、これらの作品は全年齢を対象としています。また、同人ゲームの制作も活発で、中には携帯版に移植された作品（『アカシア通り一番地』など）や、人気声優を起用した作品（Ritz Softの作品群）も存在するのが特徴です。

歴史

商業用ゲームにおけるBL要素の起源は、男性向け美少女ゲームの一シナリオとして登場したことに遡ります。

1990年代には、美少女ゲームの中に、BL的な描写を含む作品が少数ながら存在しました。例えば、1993年10月発売の『if2』に収録された『やっぱり薔薇が好き』や、1996年3月発売の『卒業旅行』などが挙げられます。これらの作品では、攻略対象キャラクターの中に男性が1～2人含まれている程度で、BLはあくまでもシナリオ分岐の一つに過ぎませんでした。

石田美紀氏によると、ボーイズラブゲームの始まりは『BOY×BOY 〜私立光稜学院誠心寮〜』であるとされています。

2000年3月には、Alice Softが女性向けレーベル「Alice Blue」を設立し、第一弾作品として『隠れ月』（PC全年齢版）を発表しました。同年8月には、ユニゾンシフトの妹ブランドであるプラチナれーべるが、『好きなものは好きだからしょうがない!!』シリーズの第1作『FIRST LIMIT』（PC18禁）をリリースしました。この作品は、男女の性描写を含まない完全な女性向けゲームとして注目されました。

2001年3月には、Alice Blueから第2作目となる『王子さまLV1』（PC全年齢版＋18禁追加ディスク）が発表されました。

このような黎明期の作品がユーザーに受け入れられた結果、2002年後半には、『学園ヘヴン』や『神無ノ鳥』などの話題作や大作を含む、BLゲームの発売ラッシュが起こりました。

その後、新規ブランドの参入や作品の多様化、テレビアニメ化などのメディアミックス展開が進み、ジャンルは拡大傾向をたどりました。しかし、一部の作品の開発中止や、2004年7月に有力ブランドであるAlice Blueが活動を休止するなど、縮小傾向も見られました。現在に至るまで、BLゲーム業界は拡大と縮小を繰り返しながらも、多様な作品が生み出され続けています。

関連事項

• - ボーイズラブ
• - 乙女ゲーム
• - 恋愛ゲーム
• - ショタゲー

もう一度検索